⑤19×19
この問題は②の発展版です。
前は100に近い数字の二乗だけでしたが、今度は二乗ならなんでもいけます。
②と違う点は、②では100を基準に考えていたのが、今度は問題に最も近いキリの良い数字 (10の倍数) を基準に考えるところです。
この形式の場合、答えが以下の手順で導かれます。
↓
(1) 最も近いキリの良い数字 (10の倍数) を探す
「19」に最も近い10の倍数は「20」
↓
(2) (元の数字) − (探した数) を計算する
19 - 20 = -1
↓
(3) それを元の数字に足して、探した数を掛け合わせる
{ 19 + ( -1 ) } × 20 = 360
↓
(4) (2)の結果を二乗する
( -1 ) × ( -1 ) = 1
↓
(5) この二つを足し合わせる
360 + 1 = 361
↓
となり⑤の答えである361が求められます。電卓で計算してみると合っていることが分かります。
原理は②と全く同じです。
この形式は中学の時に習った方程式
( X + a ) ( X - a ) = X² - a²
を使っています。
この式のままでは分かりにくいので変形すると
X² = ( X + a ) ( X - a ) + a²
となって、問題の形式になります。
ここで ( X + a ) か ( X - a ) のどちらかをキリの良い数字 (10の倍数) になるように a を調整するというのが、今回のミソです。
実際に例の19×19でやってみましょう。これを次のように変形すれば
19 × 19 = ( 19 + 1 ) ( 19 - 1 ) + ( -1 )² = 20 × 18 + 1 = 361
となり、ものすごく単純になります。
以下例題です。
①27×27 = 729
{ 27 + ( -3 ) } × 30 = 720、( -3 )² = 9 なので足し合わせて729。
②52×52 = 2704
( 52 + 2 ) × 50 = 2700、2² = 4 なので足し合わせて2704。
③84×84 = 7056
( 84 + 4 ) × 80 = 7040、4² = 16 なので足し合わせて7056。
④43×43 = 1849
( 43 + 3 ) × 40 = 1840、3² = 9 なので足し合わせて1849。
⑤68×68 = 4624
{ 68 + ( -2 ) } × 70 = 4620、( -2 )² = 4 なので足し合わせて4624。
では実際に問題を解いてみましょう。制限時間は15秒。答えは最後のページにあります。
①33×33
②76×76
③92×92
④24×24
⑤59×59
紹介した計算法は「インド式」として知られています。
みなさん、一度は耳にしたことがあるかもしれません。
パターンと解き方を覚えれば即座に計算できますね!
しかし、覚えた特定のパターンしか対応できません。
これとは別に「ゴースト暗算」というものがあります。
東大生が考案した方法で、パターンはありません。
強いて言えば、覚えるのは「2桁×1桁」と「2桁×2桁」だけです。
解き方に慣れれば、こちらが楽に感じる人もいるでしょう。
みなさんに合った方法を使ってみてください!