町の歯医者さんでは「歯科」とか「小児歯科」とか、「矯正歯科」「口腔外科」などは聞いたことがあると思います。
九大病院には歯科診療科だけでも約10個ほどの診療科があり、専門化されています。
その中で、今回は私が所属する科である「歯内治療科」で行っている治療についてふれてみようと思います。
歯内治療科というのは、あまり聞きなれないかと思いますが、文字通り「歯」の「内」を治療する科です。
別名「保存科」とも言います。できる限り歯を抜くことなく治療して残していきたいというのが当科のモットーとなっています。
さて、歯の内とはどこぞやという話ですが、それは「歯髄」です。
歯髄には神経や、血管が微小ですが、入っています。歯髄は青い四角(右下の絵)でかこまれた歯根の先のほうまであります。
それが、外からの「冷たい」、「熱い」などを感じています。普段はエナメル質や象牙質に覆われて守られた空間になっているので、症状はありません。
虫歯が大きくなりすぎて、神経まで及んだときに、神経がはいっている空間がばい菌に汚染され、守られていた空間でなくなり外と交通できてしまいます。
それにより滲みる症状や、もっと進むと、耐え難い痛みが発生します。そのときに登場するのは歯内治療です。
滲みる症状までであれば、状況によりますが、虫歯治療、どうしても虫歯が深い場合、やむを得ない場合、歯内治療が必要となってきます。
この治療を経ないと、銀歯を被せるような治療はできません。歯の土台を整え、支える大事な治療となります。
歯内治療科は、縁の下の力持ち的な治療をしています。