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私の卒論ができるまで: 犬塚秀世(九州大学工学部・2017年卒): できるまでの道のり

九州大学の図書館でティーチングアシスタントとして働く院生が学部時代に卒業論文にどのように取り組んだか紹介します。

目次

初めに

  • 私の卒論シリーズ
  • 今回の先輩は犬塚秀世さん

できるまでの道のり

  • 卒論の内容と長さ
  • 最終提出までのスケジュール
  • ここがポイント

Q&A

  • 普段の生活との両立
  • 活用したツール

終わりに

  • オススメ本
  • 後輩へのメッセージ

おまけ

  • 卒論の内容をもっと詳しく

このガイドの作成者

卒論の内容と長さ

私の卒業論文の内容を一言で言うと、「コンテナターミナルのシミュレーションモデルを作る」

ということになります。

皆さんの身の回りには、外国製のものがたくさんあると思います。服や食べ物、電気製品......

 

                                             

 

これらのものは、どうやって運ばれてくるのでしょうか? 飛行機でしょうか?

答えは。実は、世界の貿易量の97%(容量ベース)は、海運によって運ばれていると言われています。

 

↑原油を運ぶタンカー

 

船は、たくさんのものを安いコストで運ぶことができるからなんです。

ですが、そんなにたくさんのものを、港で積み下ろしするのは一苦労。多くの労働者が必要ですし、

長い時間がかかります。

そこで、コンテナというものが発明されました。

コンテナは、大きさが規格化された鉄の箱です。

 

↑コンテナ

 

いろんな貿易品をまとめてコンテナに詰めて、港ではクレーンを使って積みおろしします。

(コンテナを揚げ降ろしする港のことを、コンテナターミナルといいます)

コンテナの発明によって、積み下ろし作業は驚くほど効率的になり、海運コストの低下によって、生産や消費の

グローバル化が加速されました。

そんなとても効率的なコンテナ海運ですが、効率化、合理化には終わりはありません。

コンテナターミナルにおいては、例えば積み下ろし作業の自動化だったり、

積み下ろし作業の省エネ化などが検討されています。

 

上の写真は、オーストラリアのコンテナターミナル。

この港では、コンテナの積み下ろし作業や輸送作業の自動化が進んでいます。

 

このような新しいシステムを導入する際、その効果だったり、影響だったりを評価するのに、

じゃあ試しに実際のターミナルで実験してみようっていうのはなかなか難しいものです。

そこで、私の研究では、コンピューターの中で、コンテナターミナルの作業を再現し(シミュレーションといいます)、

新しいシステムの評価を行いました。

 

 

例えば、クレーンの台数を変えてみたり、クレーンの消費電力の設定を変えてみたり。

そうして作ったシステムがちゃんと動くのか?というところから始まって、そのシステムの仕事の効率は

どうなのか?クレーンやトラックの移動距離や消費エネルギーは?という評価を考えます。

どういう評価の指標があるのか?今の評価のやり方は正しいのか?ということを考えるのも研究です。

ちなみに卒論のページ数は42ページ、文章量は1万字程度です。

最終提出までのスケジュール

完成までのスケジュール
時期   やったこと

2016年4月

    

2016年6月~8月

2016年10月

打合せ
少しづつ

2016年12月

2017年1月

2017年2月

2017年2月末

2017年3月

これまでの研究内容を教えてもらう

シミュレーションソフトの使い方の勉強 コンテナターミナルを見学

院試勉強! 研究室で勉強。

本格的に研究がスタート!ほぼ毎週指導教員の先生との打ち合わせ

打ち合わせ→問題点が明らかになる→修正→打ち合わせの繰り返しで、
少しづつシミュレーションを改善していく

中間報告会

卒論梗概(卒論の内容を2ページでまとめる)を書き始める

卒論審査の準備開始 卒論本文を書き始める

卒論審査(プレゼンテーション審査)

印刷用の卒論原稿を提出

※備考

研究室では定期的に、数値計算や物理学のゼミや、先輩方の研究内容を紹介するゼミなどが行われました。

中間報告会では、12月までの時点での研究成果を10分間のプレゼンにまとめ、指導教員の先生や、研究室のメンバーの前で発表しました。

 

○研究テーマの決め方

学部や研究室によって、研究テーマの決め方は様々だと思います。(学生が自分で決めるところもあるみたいです)

私の所属する船舶海洋システム工学コースの場合、学部3年時の3月末に、研究室配属を学生で話し合って決めるのですが、

その時に、研究テーマも決めてしまいます。研究室ごとに、題目の選択肢がいくつか提示してあり、

(例えば、○○研究室 テーマ1 船体の座屈強度について テーマ2 船舶の防振設計について...... みたいな感じ)

基本的には、その中からひとつ選んで、その研究に従事することになります。

自分が興味があるテーマを選んだり、あるいはフィーリングで選んだり......

私は興味半分、フィーリング半分で、なんとなく面白そうだなって思って選びましたが、

そのおかげで(?)面白い研究に出会うことができました。

 

○先行研究の調査

先行研究を知るというのはとても大事ですね。

まず、何よりも重要な先行研究は、あなたの先輩の研究です。

研究室の先輩に話を聞いてみましょう

もし、同じテーマを研究した先輩が、もう卒業してしまった!という場合には、

その先輩が残した論文を、じっくり読んでみましょう。

私の場合も、最もじっくり読んだ論文は、先輩の卒業論文でした。

 

○卒論審査について

大学を卒業できるか決める審査です。学部学科によって形式は違います。

私の場合、審査は2月末。その少し前に、あらかじめ卒論梗概を提出しておきます。

審査のメインはプレゼンテーション。自分の卒業論文の内容を、15分間の発表にまとめます。

この準備が結構大変でした。研究室に泊まりこむ人もいます。

審査当日は、船舶海洋システム工学コースの教授陣全員の前で、発表をします。

発表を始める前に、まず卒論を提出します。

発表後は、教授陣からの質疑応答時間です。資料として、卒論梗概が配布されているので、

主に梗概の内容や、発表内容に基づいて質問がなされます。

ある程度どんな質問をされるか予想して、答える準備をしておくことが大切です。

質問を恐れる必要はありません。

質問によって、新しいことに気がつくこともあり、とても勉強になります。

 

○卒論の提出について

卒論審査から1ヶ月ほど後、事務室に卒論を提出します。

やがてその卒論が製本されて、自分の手元に届きます。

部門の図書室や研究室にも保管されます。

卒論審査前は時間がなくてばたばたしてしまうもの。

審査が終わってから、あれ?ここおかしいんじゃないか?という点に気づいてしまうこともあります。

卒論審査が終わっているとはいえ、せっかく頑張った卒論ですし、ずっと残るものですから、できるだけ修正をしてから提出したいものです。

(とはいえ私はそんなに修正をしませんでした。反省点です)

ここがポイント

① まずは研究を進めよう

研究には、基本的には終わりはないと思います。ひとつの研究を大学4年生の1年間ずっと続けてきて、

キリの良いところでまとめたもの、それが卒業論文になります。

もちろんキリの良いところまでたどりつくというのが最低限ですが、時間をかければもっと先へ先へと

研究を進めることができます。研究が進めば、卒論の内容も充実します。

じっくり時間をかけましょう。そして先へ進みましょう。

 

② 計画的に進めよう

学部4年になれば、将来の進路を決めないといけません。そして、大学院に進学するなら入試がありますし、

就職するなら就職活動があります。どちらもそれなりの労力を要します。

卒業研究・論文は、進路が決まっていない状態だと、なかなか集中して取り組めないかもしれません。

私は、院試勉強を、4月~8月の最重要事項と位置づけていました。

あなたの1年間のスケジュールを考えてみましょう。院試があるのなら、例えば前期は

研究はちょっと抑えめにして、入試勉強に多くの時間を費やすというのもありかもしれません。

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普段の生活との両立

活用したツール