質問
サークル、バイト、就活、授業など普段の生活とどのように両立しましたか?
回答
学部4年時にはサークルに所属しておらず、授業も単位をすべて取り終えていました。また、大学院に進学することが決定していたため就活もしていなかったことを考慮すると私が研究と両立していたのはアルバイトだけだったので、かなり余裕のある環境だったと思います。
飲食店のアルバイトをしていましたが、基本的に10時から15時までの土日しかシフトを入れていませんでした。飲食店の土日はかなり忙しく人手が必要になるため、研究や卒論の制作で平日に勤務できない代わりに休日は積極的に出勤していました。研究中心だと生活リズムも壊れてしまうため、適度にバイトやサークルなどとバランスをとることをお勧めします。私の研究は植物を用いるため、水やりなどの世話を一日でも怠ると枯れたり病気になったりしてしまいます。これまでに積み上げた研究成果を台無しにしないためにも、バイト終わりに水やりや植え替えなどの作業は忘れずに行いました。
おそらくこのガイドを読まれている方で私のような境遇の人はごく稀かと思いますので、もし自分がサークル、バイト、就活、授業と卒論を両立しなければならなかったとしたらどのような優先順位にしていたかを下記に紹介します。
←優先度高 優先度低→
授業と卒論研究 > 就活 >>> バイト >>>>>>>>>>>>>>>> サークル
こんなかんじです。そもそも授業の単位が足りなければ卒論を書いても卒業はできません。その場合春から社会人になる予定の人でも内定取り消しという可能性も考えられますので、授業と卒論研究は最優先に取り組むべきかと思われます。理想は上記4つをすべて両立することなので、皆さんは計画的に卒業研究と卒論の執筆を開始することをお勧めします。
質問
卒論に取り組むために特別に活用したツールはありますか?
図書館って卒論に役に立つんですか?
回答
Tukey-Kramerと呼ばれる多重比較法が使用できるサイトを利用しました。おそらく理学部の生物学科や農学部の方々はなじみのある演算ツールかと思います。ただ、ほとんどの人はTukey-Kramerって何?と頭にはてなマークが浮かんでいると思うので一言で表します。ズバリ!「複数の組み合わせがあるデータの中で、どの組の平均値に統計的に有意な差があるかを検討する方法」です。詳細を説明します。下に私が実際に国際学会で用いたTukey-Kramerの説明スライドを示します。下図にa,b,abなどの記号が棒グラフの上部に示されています。この記号はデータの類似性を示しており、aとbは全く異なるデータの性質を持つことを示し、逆にabはaとbの両方の性質を持つデータであるということが言えます。これらの記号は得られたデータをTukey-Kramerのサイトに打ち込み、データの優位性の分類から導くことができます。詳細については下記にこのTukey-Kramerのホームページとアルファベットのつけ方を簡単にわかりやすく解説したサイトのURLを記載しておくので、理学部の生物学科や農学部の方々は将来の研究のためにチェックしておくといいかもしれません。
Tukey-KramerのサイトURL : https://www.gen-info.osaka-u.ac.jp/MEPHAS/tukey.html
アルファベットの番号付けについて解説されたサイトURL : https://hymd3a.hatenablog.com/entry/2021/05/06/192412
これまで長々とTukey-Kramerのことについて説明しましたが、結局これを用いて何に役に立つのかを下記の図を用いて説明します。下の図は土壌に含まれる黄鉄鉱含有率による30日後のヨモギの葉の枚数を示したグラフです。黄鉄鉱含有率が上昇するほど葉の枚数は減少していることが一目で確認できますが、もし棒グラフのみであった場合、どの黄鉄鉱含有率から葉の枚数の変化が減少に転じたのかを理解することはサンプル数の少なさが起因して大変困難になっています。そこでTukey-Kramerを用いてデータの仲間分けをすると、下図の黄鉄鉱含有率5%からデータ群のアルファベットがaからabへと変化したことが確認できます。つまりヨモギの葉の枚数が減少傾向に転じたデータは黄鉄鉱含有率5%からであると判断できます。今回はデータのサンプル数が少ないため、あまりTukey-Kramerを用いるありがたみを感じることは少ないですが、よりデータの多い棒グラフからデータの性質変化を読み取るためにはTukey-Kramerを用いると便利です。
※エラーバーはデータのばらつきを示します
次に図書館が卒論に役に立つのかという質問に対してですが、答えは・・・・
人による
です。というのも私は卒論の制作にあたって図書館は一切使用しませんでした。おそらく私は例外ではなく、学部の卒論レベルであれば先行研究をした先輩の卒論や研究データなどを参考に卒業論文を制作する方々が多いと思います。
しかし、修士論文や博士論文など学部よりもさらに高度な研究を行う場合は事前知識を吸収するために図書館を使用することは多いと思います。また、先ほど触れた学部の卒論制作においても、先行研究例が全くないものに取り組もうとされている場合は積極的に図書館を使用することをお勧めします。特に理系学部に所属されている方であれば理系図書館には理系分野に特化した様々な専門書が収蔵されています。「どうせ図書館に行ったって・・・」なんて思わず、ぜひ一度研究に悩んでいる方はお越しください!もしかしたら理想の参考図書が見つかるかもしれません。