Skip to Main Content

私の卒論ができるまで: 熊井哲斗(九州大学工学部・2023年卒): おまけ

九州大学の図書館でティーチングアシスタントとして働く院生が学部時代に卒業論文にどのように取り組んだか紹介します。

目次

初めに

  • 私の卒論シリーズ
  • 今回の先輩は熊井哲斗さん

 

できるまでの道のり

  • 卒論の内容と長さ
  • 最終提出までのスケジュール
  • ここがポイント

 

Q&A

  • 普段の生活との両立
  • 活用したツール
  • 研究で苦労したこと
  • 先行研究

 

終わりに

  • オススメ本
  • 後輩へのメッセージ

 

おまけ

  • 卒論の内容をもっと詳しく

卒論の内容をもっと詳しく

私の卒論の内容に興味を持っていただいて有難うございます!

ここでは、卒論のより詳しい内容について説明したいと思います。

ちなみに、建築学科の卒論はネット上に公開されているため、他の卒論も気になる方は下記のリンクから是非読んでみてください!(公開は任意のため未公開の論文もあります。)

九州大学工学部建築学科公式ホームページ

 

卒論の構成

以下のような構成で卒論を作成しました。

1.序論

2.ZEHの定義

3.対象建物

4.実測によるエネルギー消費性能の検討

5.実測による蓄電システムの活用実態と効果の把握

6.総括

 

第1章は、研究の背景や目的について書きました。内容としては、「できるまでの道のり」に記載したものをさらに詳しく説明したものです。作成する際には、関連する論文や資料を読み、自分の研究が新しく、他と何が違うのかをはっきりとさせることで、分かりやすい序論を書くことができると思います。

第2章は、ZEHの定義を書きました。この章は第1章の序論にくっつけてしまうか悩みましたが、ZEHにも様々な種類(『ZEH』、ZEH Oriented、ZEH Ready、Nearly ZEH、ZEH +、次世代ZEH+)があり、分量が多くなったため1つの章として書きました。ZEHの定義は研究の根幹に関わるため、この研究で扱うZEHがどの基準に適合するのかを図表を用いて詳細に説明しました。

第3章は、今回の研究の対象とする建物について書きました。実際の住宅を対象とする研究では、その建物についての情報をできる限り詳細に説明する必要があるので、1つの章として書くことが多いです。記載する主要な内容としては、所在地、用途、構造種別、架構形式、規模、居住者数、図面(平面図、立面図、断面図等)、研究に関連する設備などが挙げられます。

第4章は、計測結果と、設計の段階で計算していた数値を比較し、どのような違いがあったかについて分析しました。ZEHの判定としては、運用段階でも設計段階と同等の性能が確認されましたが、複数の項目で数値の乖離が見られ、その原因について考察しました。

第5章は、蓄電池が住宅内でどのように活用され、どの程度の効果が得られているか分析しました。蓄電池はエネルギー消費を抑える点では一定の効果が見られましたが、導入時のコストを考慮すると経済性においてはあまり効果が見られませんでした。したがって、導入の主なメリットは防災面にあると結論づけました。

第6章は、第1章で示した研究の目的に対してどのような結果が得られたかをまとめ、今後の展望について述べました。

以上が論文の構成となります。章立ては人によって様々なので正解はないと思いますが、是非参考にしてみてください!