Skip to Main Content

石油開発業界についてザックリと就活生に解説: 第1章 はじめに

石油開発業界について知りたいと考えている就活生に向けたガイドです。

作成者

Profile Photo
久保 敦志
連絡先:
本ガイドは図書館TA(Cuter)として勤務した際に作成したものです。

勤務期間:2023年4月~
作成者身分:大学院生(修士課程)
作成時所属:九州大学大学院工学府地球資源システム工学専攻

学習面以外でも何か大学のシステムでわからないことがあれば図書館の学習相談コーナーへ質問しに来てください!

このガイドを書こうと思ったきっかけ

 このガイドでは就職活動を控えている学生や今まさに就職活動を行っている学生の皆様に向けて、主に石油開発業界について紹介します。

 まず初めに皆さんは石油開発企業をご存じでしょうか?第2章や第3章でも解説するため、本章で詳細は割愛しますが、石油開発企業とは国内外で石油・天然ガス資源の開発や生産を手掛ける企業です。皆さんがよく目にするガソリンスタンドの企業は石油元売り企業であり、石油開発企業ではありません。しかし就活サイトでは石油元売り企業と石油開発企業が一緒くたに「石油企業」として紹介されている場面が時々見られ、多くの就活生に混乱を与えているのではないかと思われます。このガイドを読んで石油開発企業と石油元売り企業の違いについて少しでも分かっていただければ幸いです。

 本ガイドを書こうと思ったきっかけは2つあります。1つ目は就職活動に取り組む学生に対して石油開発業界を中心にこれまで就職活動を行った私が得た知見を共有し、石油開発業界を目指す就活生を増やしたいと考えたためです。昨今多くの学生にとってコンサル業界やIT、自動車メーカーなどは大変人気である一方、あくまで私個人の感想ですが、石油開発業界は人気に陰りが見られるような気がします(2025年2月執筆時点)。理由としては電気自動車の開発や、先進国の再生可能エネルギー普及に向けた積極的な取り組みなどが考えられます。エネルギー価格の高騰化に伴い、多くの国々や企業が石油に頼らない方向へと舵を切ろうとしている風潮に不安を感じ、多くの学生が安定かつ将来性の高い業界へ就職を志すことは仕方のないことだと思います。

 しかし、石油は私たちの生活に必要不可欠な資源です。石油はガソリンや灯油など燃料としての用途だけでなく、プラスチック製品や衣類に用いられる合成繊維、機械の潤滑油の生産にも用いられます。また、再生可能エネルギーと比較して、大きな価格変動はあれど安定的にエネルギーを得ることができる石油や天然ガスは今後世界情勢が混乱した場合にも心強い味方となってくれます。よって、石油開発業界は決して将来性のない業界ではなく、むしろ安定かつ様々な可能性を有しています。

 2つ目の理由は石油開発業界についてもっと知ってほしいと考えたためです。石油開発産業は自動車産業に並ぶほど複雑かつ多種多様な業界によって構成されています。元来石油や天然ガスなどエネルギー資源が乏しく、ものづくりや技術力で発展した日本にはアメリカやロシア、中東諸国と比較して自国の石油関連企業が少なく、日本人にとって石油企業とはガソリンスタンドぐらいしか馴染みが無いように思われます。この馴染みのなさが石油開発業界を志す就活生が少ない一つの要因ではないかと考えたため、石油開発を取り巻く様々なビジネスに挑戦する業界を紹介し魅力を伝えたいと考えました。

 具体的な企業名や業務の詳細については触れませんが、本ガイドを読んで石油開発業界へ興味を持ち、就職先の候補として考えていただければ幸いです。