本ガイドは「石油・天然ガス開発のしくみ」を参考に作成させていただきました。より石油開発の詳細について知りたいという方は理系図書館にあるので是非借りてみてください。
最後に私の就職活動の進め方について説明します。まず初めに就職活動の開始時期についてですが、本腰を入れて取り組み始めたのは修士1年の4月頃です。大学院入学前の春休みの時期は暇だったので、なんとなくインターネットで気になる業界や企業名を調べ、業界研究を行っていました。ここで少しアドバイスですが、国内には膨大な数の企業があり、ただでさえ時間が限られているにもかかわらず、すべての企業の概要を把握することはほぼ不可能です。よって就職活動を行う際は興味のある企業ではなく、興味のある業界(自動車業界あるいはインフラ業界などなど)を自分なりに選んで行うことをお勧めします。業界の数であれば企業数よりも数は少ないため時間の節約につながりますし、何よりも自身の就職活動に一貫性を持たせることにつながります。
(4月頃)
5つほど興味のある業界を絞り、各業界からピックアップした企業のマイページに登録しました。マイページに登録すればその企業だけのインターン情報をメールで取得できるため、一般的な就職情報サイトに登録するよりもおすすめです。就職情報サイトに登録してしまうと、興味のない業界に関するメールなども届くようになり、非常に面倒なことになるので利用はおすすめしません。ちなみに私が一番活用した就活関連のサイトはワンキャリアです。このサイトではこれまでその企業を受けた先輩方が過去に書いたESや面接内容などが無料で見られるため、参考程度に登録しておく分には良いと思います。
(5月~7月頃)
5月から7月にかけて夏インターンのESが公開されるため、この時期は締め切りまでにESを書きまくり、場合によってはインターン選考に用いられるテストや面接の対策をしていました。テスト対策は主に参考書や過去問集などを使って勉強し、面接対策は学内の就活支援団体の方にお願いしました。ただし、テストや面接も共通して重要なのは慣れだと思います。本選考のためにも夏インターンで様々な企業を受け、テストの形式や面接の雰囲気に慣れておくことをおすすめします。因みに私もそうですが、多くの就活生は夏インターンの時期だとあまり興味のある業界が定まっていないため、手当たり次第に様々な企業のインターンに参加して経験を積もうとします。よって夏インターンは冬インターンや本選考と比べて倍率がどの企業も高くなっており、落ちる可能性が十分あります。夏休みにどこも受けるインターンがないという最悪な状況を回避するためにもたくさんインターンに応募し、たとえ落ちても「ま、いいか」と思うメンタルを養いましょう。インターンに参加しなければ本選考は落ちるなんてことは無く、「一度もその企業のインターンに参加したことないのに、本選考で受けたら何故か受かった」なんて言ってる人もよく見かけます。
(夏インターン参加後10月~12月頃)
夏インターンに参加した後は興味のある業界を絞りました。冬インターンを募集している企業も多いため、絞った業界の中からいくつか興味のある企業を選び、ESを秋頃書いて冬インターンに応募しました。年明けごろには夏インターンや冬インターンに参加した企業からの早期選考案内が届いたため、選考のためのES作成やSPIやGABなどのテストを受検したりとかなり忙しかった思い出があります。
インターン参加~選考までの簡単なスケジュールは以上のようになります。昨今どの企業も採用活動が大変早期化しており、企業によっては学部3年生あるいは修士1年生の12月で内々定がもらえるような事例も珍しくありません。「就職先は早めに決めて残りの時間を研究や学生生活に充てたい」と考えている学生は確かにいると思いますが、あまりにも早期化しすぎてどの企業が良いのか自分なりに消化できていないまま就活が終わろうとしていることに戸惑う学生も多いと思います。採用活動早期化の流れはおそらく止められないため、なるべく早く就職活動に取り組み有益な情報を入手できるようにしましょう。
おまけとして私の所属している工学府地球資源システム工学専攻の就職先について紹介します。
まず、工学部のIV群は学部2年時に土木工学科・船舶海洋工学科・地球資源システム工学科のうち1つを選択してより専門的に勉強します(2025年2月執筆時点)。私は地球資源システム工学科を選択し、学部時代は資源に関するあらゆる知識を網羅的に勉強しました。大学院では地球資源システム工学専攻と共同資源工学専攻の2つが用意されており、どちらか選べます。詳細は割愛しますが、どちらの専攻も同様に大学院で資源工学について専門的に学ぶことができます。
それでは本題の就職先について説明しますが、私の所属していた学科は毎年8割以上が大学院に進学しており、学部生の就職先の情報はあまり把握していません。よって地球資源システム工学専攻か共同資源工学専攻のいずれかに進学したこれまでの先輩方や同級生の情報をもとに、九大資源系学生の主な就職先について説明します。
・非鉄金属業界
・石油開発業界・石油元売り業界
・五大商社
・電力・ガス会社
主に上記4つの業界にほぼ8割の学生が就職します。九大に限らず工学部は他学部と比較して有名企業への就職実績が良いことが前提としてありますが、工学部の中で資源系の学生は業界内の限られた需要にこたえることができるため、就職実績が良い部類にあると思われます。特に五大商社は多くの学生にとって人気の就職先であり、九大出身者であっても熾烈な競争を勝ち上がらなければ就職は難しいでしょう。しかし私の所属する専攻の学生は比較的簡単に就職でき、他の学科・専攻よりも圧倒的に有利です。なぜなら総合商社は金属・エネルギー資源関連の収益比率が大きく、資源工学について知見のある学生の需要が高い傾向にあるため、九大の資源系学生は強みを大いに発揮することができます。よって工学部の中では比較的入学が簡単といわれるIV群からなぜか5大商社に受かる人が毎年現れるのは、地球資源システム工学科出身の大学院生が上記のような経緯で恵まれていることが要因です。九大工学部のIV群かVI群に所属している学生で、もし学科選択に迷っているならば是非地球資源システム工学科を選んでみてください。