先ほども紹介しましたが,実験プログラムの作成だけではオンライン実験・調査は実施できません。
その他にも,サーバーの準備・データを保存するためのコードの作成等が必要になります。特に,クラウドソーシングを使って実施する場合はアクセスが集中することになるのでサーバーにそれなりの負荷がかかります。使用予定のサーバーがどのくらいの同時接続に耐えうるのかを確認しておくことをお勧めします。また,言うまでもないですが,オンライン実験の場合も通常の実験と同じような倫理的配慮が必要です。必ず倫理審査委員会と相談の上で実験を行いましょう。
少しテクニカルな話になりますが,jsPsychのsurvey-likertプラグインで取得したデータは7件法ならば0~6というように,通常のカウント法からマイナス1された数値で保存されます(2024年3月時点)。分析前にこの数値を変換する必要があるのでご注意ください。
参加者同士の相互作用がある実験(ゲーム実験など)を行いたい場合は,他のツールを使う必要があります。
おすすめはoTreeというフレームワークです(Chen et al., 2016)。Pythonの知識が多少必要になりますが,基本的にGUIで実験を作成できるoTree Studioというサービスがあり,プログラミングに抵抗がない方なら独学でも実施できると思います。oTreeに関しても様々なチュートリアルがweb上で公開されています。
本ガイドよりも詳細な解説をしている文献を紹介します。
以下に紹介するもの以外にもjsPsychに関してはたくさん記事が執筆されているので,ぜひ検索してみてください。
ガイド内の引用文献
このガイドでは心理学におけるオンライン実験の概要と代表的なツールであるjsPsychを用いた簡単な実験プログラムの作成方法について解説しました。少しでも皆さんの研究のお役に立てたのであれば幸いです。