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オンラインで心理学研究:jsPsychを使ってみよう: おわりに

心理学分野でよく用いられるオンライン上で行う実験・調査の手法を他分野の方にも分かりやすく解説するガイドです。

目次

はじめに

  • このガイドについて
  • 執筆者について

オンライン実験について

  • 心理学における実験の重要性
  • なぜ今オンライン実験なのか

オンライン実験の仕組み

  • 誰がどのように参加するのか

jsPsychの導入

  • jsPsychとは
  • jsPsychの導入

実験プログラムの構造

  • 実験プログラム作成の前に
  • 部分ごとの解説
  • 実際の見え方

アンケートを作ってみる

  • 練習問題
  • 事前準備

アンケートを作ってみる2

  • プログラムの中身の設定
  • プログラムの実行
  • 実際の実験へ

おわりに

  • 注意点など
  • 参考文献
  • まとめ

注意点など

実験実施にあたって

先ほども紹介しましたが,実験プログラムの作成だけではオンライン実験・調査は実施できません。
その他にも,サーバーの準備データを保存するためのコードの作成等が必要になります。特に,クラウドソーシングを使って実施する場合はアクセスが集中することになるのでサーバーにそれなりの負荷がかかります。使用予定のサーバーがどのくらいの同時接続に耐えうるのかを確認しておくことをお勧めします。また,言うまでもないですが,オンライン実験の場合も通常の実験と同じような倫理的配慮が必要です。必ず倫理審査委員会と相談の上で実験を行いましょう。


質問紙のデータ

少しテクニカルな話になりますが,jsPsychのsurvey-likertプラグインで取得したデータは7件法ならば0~6というように,通常のカウント法からマイナス1された数値で保存されます(2024年3月時点)。分析前にこの数値を変換する必要があるのでご注意ください。


参加者同士のインタラクション

参加者同士の相互作用がある実験(ゲーム実験など)を行いたい場合は,他のツールを使う必要があります。
おすすめはoTreeというフレームワークです(Chen et al., 2016)。Pythonの知識が多少必要になりますが,基本的にGUIで実験を作成できるoTree Studioというサービスがあり,プログラミングに抵抗がない方なら独学でも実施できると思います。oTreeに関しても様々なチュートリアルがweb上で公開されています。

参考文献

本ガイドよりも詳細な解説をしている文献を紹介します。
以下に紹介するもの以外にもjsPsychに関してはたくさん記事が執筆されているので,ぜひ検索してみてください。

  • snishiyama先生のチュートリアル
    jsPsychのインストールから様々な課題の作成方法まで詳細に紹介しているチュートリアルです。私自身もこの資料を見てjsPsychを学びました。既にこんな素晴らしいチュートリアルがあるのにこのガイドを書く必要はあるのかとも思いましたが,間口は広い方が良いだろうと思い執筆しました。

     
  • 黒木大一朗先生の解説論文
    九州大学の黒木先生による視覚研究者向けの解説論文です。jsPsychのプログラムに必要な簡単なJavaScriptの文法も紹介されています。なお,黒木先生には公開前のこのガイドを読んでいただきました。この場を借りて御礼申し上げます。

ガイド内の引用文献

  • de Leeuw, J. R. (2015). jsPsych: A JavaScript library for creating behavioral experiments in a Web browser. Behavior Research Methods, 47(1), 1–12. https://doi.org/10.3758/s13428-014-0458-y
  • Chen, D. L., Schonger, M., & Wickens, C. (2016). oTree—An open-source platform for laboratory, online, and field experiments. Journal of Behavioral and Experimental Finance, 9, 88–97. https://doi.org/10.1016/j.jbef.2015.12.001

まとめ

このガイドでは心理学におけるオンライン実験の概要と代表的なツールであるjsPsychを用いた簡単な実験プログラムの作成方法について解説しました。少しでも皆さんの研究のお役に立てたのであれば幸いです。