取得した塩基配列(もしくはアミノ酸配列)と相同性のある配列(似た配列)を検索したいときによく使用されるのが、BLAST(Basic Local Alignment Sarch Tool)です。NCBIのwebサイトの右欄にある”BLAST”からアクセスできます。例えば、ある機能ドメインの情報を持っているときに、同じ機能を有しているかもしれない遺伝子やタンパク質を、配列情報から調べることができます(実際にタンパク質レベルで同じ機能を有しているかは、検証が必要ですが)。今回は、塩基配列を使って解説します。
では実際に相同性配列の検索をしてみましょう。今回は問い合わせ配列として、aaaatttccgcaaaaaggaagtcctttgccctgaという配列を使ってみましょう。
”BLAST”ボタンを押すと、ゲノムのどの領域と同じ、もしくは似た配列であるのか結果が返ってきます。
気になる遺伝子や領域をクリックすると詳細なアラインメント結果を見ることができます。
さらに”Graphics”をクリックすると、ゲノムのどの領域に自分の問い合わせ配列が存在するのか可視化することができます。
ApEはユタ大学のM. Wayne Davis博士らによって開発されたツールです(M. Wayne Davis and Erik M. Jorgensen, 2022, frontiers in Bioinformatics)。”A plasmid Editer”の名の通り、Plasmidの構築(デザイン)や、様々な用途で用いることができるツールです。こちらは左記のBLASTとは異なり、あらかじめ比較したい配列が決まっている場合に使用できます。
例えば、PCRによるクローニングで得たDNA断片の配列データと目的の配列との相同性を簡便に可視化させることができます。
今回は、p53のmRNAとcDNAで比較をしてみます。まずは、File→Newで新たなウィンドウを開き、比較したい配列をそれぞれにコピー&ペーストで貼り付けます。Tools→Align Two Sequencesをクリックし、比較したい2つのファイルを選択します。
すると、下のようなアラインメントの結果が返ってきます。今回は、p53のmRNAとcDNAをそのまま比較したので、2段目のatgから全く同じ配列であることが分かります(それ以前の配列はmRNAに含まれる5’UTRです)。
次に、cDNAの配列の一部を”n”に変更したり、削除して実際に配列を読んだデータのようにしてみました。2つのデータを比較すると下図のようになります。配列が欠失している箇所やピークが不明瞭であった部分が赤色でハイライトされます。