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遺伝子配列の検索や比較に役立つwebツール・ソフト: ②遺伝子周辺のゲノム配列を知りたいとき

研究室配属などでこれから研究を始める方の助けになるガイドです

UCSC Genome Browser

  UCSC Genome Browserはカリフォルニア大学サンタクルズ校(University of California, Santa Cruz)によって開発・運営されている、ゲノム情報を可視化できるwebツールです。様々な使用法がありますが、今回はDNA配列(具体的にはp53遺伝子のプロモーター領域)の取得について解説したいと思います。

 まずはじめに、自分が調べたい生物種・ゲノム情報・遺伝子名を選択もしくは入力して”GO”をクリックしましょう。

 

 すると、下図のように検索した遺伝子領域が可視化されます。様々なデータベース由来のエキソン・イントロン情報が可視化されていますが、その中で自分の調べたい対象となるものを選択します。(ここではNCBIデータベースを用いた時と同様に”NM_011640”を選択します)

 

 

 "Genomic Sequence"をクリックした後、”mRNA Sequence”を選択すると、①で紹介したNCBIデータベースと同様にmRNAの配列を取得することができます。
 

 

取得したい項目を選択すると、

 

 

目的の遺伝子の転写開始点上流(プロモーターと思われる領域)の配列を取得することができます。

 

IGV

 IGV(Integrative Genomics viewer)は、アメリカのブロード研究所のグループによって開発された、ゲノムデータを視覚化するためのツールです(James T Robinson, et al., Nature Biotechnology, 2011)。主に、ChIP-seqやATAC-seqといった、次世代シークエンサーを用いたデータの解析に使用されることが多いです。この章では、あらかじめ登録されているゲノムデータから、任意の領域の配列データを取得する方法について説明します。

 ソフトを起動させたら、まずはじめに左上のタブをクリックし、生物種を選択します。ヒト・マウス以外の生物種のゲノムデータが欲しい場合は、”More...”から選択します。

 次に、遺伝子名または染色体位置を入力します。

  遺伝子名を入力後にエンターキー入力、または”GO”ボタンをクリックすることで、目的の遺伝子座が表示されるようになります。この時に、隣の遺伝子と近接していたり、バリアントが複数存在することによってmRNAの位置が分かりにくい場合があります。

  このような場合は、画面左下にある”Refseq Gene”を右クリックし、”Expanded”を選択することで、遺伝子情報が展開され見やすくなります。

 



 

 *ちなみにこの時点で、p53遺伝子の上流末尾の配列がUCSC Genome Browserで取得したものと同じであることを確認できます。