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★音響生が解説!立体音響ってなに?: 立体音響って?

音響設計学科を卒業して、現在修士課程にいるCuterが立体音響について解説します!

立体音響って?

■ 立体音響ってなんだろう?

「立体音響ってそもそも何?」と思われる方もいますよね。

立体音響の中にも様々なものがあり、言葉で説明するのは難しいのですが、あえて説明するならば「録音現場と違う環境で音を聴いている人に、実際に録音現場にいるかのような錯覚を感じさせる音響技術」といって差し支えはないと思います。

 

要は立体音響システムで音を聴くと、目の前でバンドが演奏しているような感覚になれたり、頭上から鳥のさえずりや木々のざわめきが聴こえて、山の中にいるような気分になれたり、すぐそばに人が来たかと思ってびっくりしたりできるわけです。音が立体的に聴こえるから、このような錯覚を起こしてしまうんですね。

 

 

■ とても身近になってきた

実は私たちがよく耳にするイヤホンやヘッドホン、テレビなどの多くはステレオ方式と呼ばれる、右と左のスピーカーから別々の音を流せる方式になっています。このステレオ方式も音を立体的に聴くために開発されたものなので、広義の立体音響システムと言えるかもしれません。

最近はステレオ方式の音響装置がありふれているので、2個より多い数のスピーカーや特別な録音方法、信号処理などを使う場合に立体音響という言葉が使われることが多い気がします。スピーカーの数が多くて有名なものだと、5.1チャンネルサラウンドや7.1チャンネルサラウンドと呼ばれるものがあります。

■ 九州大学でも研究されている

九州大学芸術工学部音響設計学科では、より専門的に物理学や工学からのアプローチで立体音響を研究している研究室があり、そこではバイノーラル録音やトランスオーラルシステム、境界音場制御なんて言葉が頻繁に飛び交っています。これらの技術でも多くのスピーカーを使うことはありますが、主に録音方法や信号処理の方法を工夫することで、音を立体的に再生することを目指しています。なんだか難しそうですね笑。

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