(環境省 [2] より)
2020年のアパレル製品の国内供給量は35億7280万点に上りました。人口約1億2000万人に対して一人あたり平均約30点が供給されることを考えると、実に供給過剰であることがわかります [1]。しかし、ファストファッションの台頭などによって一枚当たりの価格は下がり続け、1990年と比べると約2分の1になっています。また、供給される衣類のうち98%は輸入されたもので、前のセクションで見たような数々の問題と私たちの購買行動が直結していることがわかります。
(日本総合研究所 [3] をもとに筆者作成)
では供給された衣類はどのように流れていくのでしょうか?2020年のデータによると、手放される衣類の65%はそのまま廃棄されています。リサイクルされるのは12万tと手放される衣類のわずか16%で、海外への輸送を含むリユースは20%です [3]。
海外に送られた衣類は現地で恵まれない人々に支給されているというイメージを持っている人も少なくないですが、実際は現地のファッション産業や伝統を破壊するだけでなく、質の悪い製品は彼らにとってもただのゴミであり、廃棄の設備が十分でない地域に送られた衣類がそのまま焼却されることなく山積みになっているという現状もあります。
さらに暗澹たる気持ちになりましたね!最後のセクションでは、これらの問題のために私たちは何をすべきかについて考えます。
ファストファッションの末路……不必要になった衣服の埋め立て地 | BBC (2021)
[1] 聖生清重, 2021. FISPA便り「コロナ禍の2020年アパレル供給量は10%減」. [online] 繊維産業流通構造改革推進協議会. Available at: <https://fispa.gr.jp/archives/6468.html> [Accessed 27 February 2022].
[2] 環境省, 2021. SUSTAINABLE FASHION:これからのファッションを持続可能に. [online] Available at: <https://www.env.go.jp/policy/sustainable_fashion/index.html> [Accessed 27 February 2022].
[3] 株式会社日本総合研究所, 2020. 環境省 令和2年度 ファッションと環境に関する調査業務:「ファッションと環境」調査結果. [online] Available at: <https://www.env.go.jp/policy/pdf/st_fashion_and_environment_r2gaiyo.pdf> [Accessed 25 February 2022].