GISがどういったものか,実に簡単に紹介したいと思います。
GISを使って土地利用の変遷について調べてみましょう。
地形と地質の分布を比較して,その関係について考察してみましょう。
国勢調査の結果をもとに,人口の分布とその密度を見てみましょう。
実際にGISを使うために必要なソフトウェアについて簡単に紹介します。
GISは人文地理や自然地理といった地理学と大きな関わりを持って育ってきた情報システムです。このページでは人文地理とかかわりの深い土地利用を例に簡単な分析を紹介したいと思います。
<1987年の土地利用図>
これはある地方の1987年における土地利用を表したものです(地名からどこか分かる人はたくさんいると思いますが)。南に広がる山岳地帯は森林におおわれており,井原山の北に荒れ地が広く分布しています。雷山川の河口では農用地(この場合は田)が広がっており,河口より2.5kmほどのぼったところ,宮地岳のまわりに建物用地が密集して分布しており、山のふもとに市街地が形成されていることがわかります。
<1987年の土地利用図>
さて,こちらはおおよそ30年後,2009年の土地利用図になります。先の土地利用図より赤色が目立つようになったと思いませんか?特に宮地岳のふもとは1987年と比較すると特に顕著で,この地域を中心に市街地の発達が進んだものと考えられます。また,市街地が拡大することで雷山川との距離もずいぶん近づいたようにも感じます。
<1987年から2009年にかけて増加した建物用地>
こちらはわかりやすいように,1987では建物用地でなかった土地から,2009年では建物用地へと変化した土地を抽出したものです。先に指摘したように,やはり宮地岳周辺での変化が著しいことが改めて確認することができます。また,水域を表す水色の近くでも変化が多いことも確認できます。
河川が近いということは,洪水が起こったときに被害に会う可能性は高くなることが考えられますし,以前の土地利用が農用地のように水が留まりやすい環境であれば、水は長くとどまることになりなおさら洪水による被害は深刻になるでしょう。また,山岳地帯を開発して傾斜が急な場所や不安定な地盤の土地に人が住むようになればがけ崩れや地滑りなど土砂災害に罹災する可能性も高くなると考えられます。