子供時分に石こ賢さんと呼ばれていただけあって、賢治の作品には多数の鉱物が登場し、一節一節の表現を豊かに彩っています。中には貝の火のオパールのように鉱物名が明示されない作品もあり、多少イメージしにくくなっている話もあります。判りにくい鉱物が登場する一方で、ルビーやトパズ、ダイヤモンドなどの一般的な宝石も登場するのでそのあたりはむしろ興味を誘ってくれるのではないかと思います。
玉は赤や黄の焔
十万何千年前とかがどうしたの。もっと前のことさ、十万百万千万年、千五百の万年の前のあの時をお前は忘れてしまっているのかい。
いつか霧