HOMEの問題では
既に出来上がった培地が
用意されていましたが,
実はすでに出来上がっている培地は
値段が高いため,
培地の素から作っている施設が
多いと思います.
そのため,
培地をどのように作るのかを
知っておく必要があります.
ここでは培地の調製と滅菌方法
について話します.
培地によって必要なものは様々ですが,
ここでは普通寒天培地の材料を示します.
普通寒天培地 ( 1L分の材料 )
・肉エキス 10g ・・・栄養素
・ペプトン 10g ・・・栄養素
・NaCl 3g ・・・培地を等張にするため.
・寒天末 15g ・・・培地を固まらせるため.
最近は,各種培地の ”素” が売ってありますが,
培地には,何が,何のために入っているかを理解した上で使用しましょう!
培地は使う量や頻度によって,用途に合った量を作るのが良いです.
筆者は,200mlずつ作製しています.( 平板培地1枚 = 15〜20ml )
[操作]
この段階では雑菌が混入しても問題ないです.
①メスシリンダーで純水を計りとり,少しガラス容器に加えます.
②電子天秤で上記( Step1 )の試料を計りとり,ガラス容器に加え,軽く混ぜます.
③残りの純水を全量ガラス容器に加えます.
④簡単に混ぜます.
後で高圧蒸気滅菌すると解けるので,
この段階では試料が完全に解けていなくても大丈夫です!
オートクレーブという機械で,ガラス瓶ごと滅菌をします.
図のように,ビンの口を滅菌栓で栓をし,アルミホイルを2重にして覆います.
2気圧,121℃,15〜20分の設定で高圧蒸気滅菌を行います.
この時に,きちんと上記条件を満たして滅菌できたかを評価できる,
滅菌テープ(滅菌インジケータ)を貼っておきましょう.
きちんと滅菌できていれば滅菌テープにラインが現れます!
オートクレーブから取り出した培地は,寒天が下部に溜まっているので
机の上に置いたまま優しく回して,均一に混ぜましょう.
きちんと混ぜないと始めに分注した培地は柔らかく,後に分注した培地は硬くなってしまいます.
滅菌した培地はすぐに分注してもいいし,
培地によって保存期間は変わりますが,ガラス瓶ごと室温保存しても大丈夫です.