血液寒天培地は
栄養豊富なため,
他の菌が混入すると発育しやすいです.
作製の時や,菌を塗抹する時は
特に注意が必要です!
血液寒天培地は,高圧蒸気滅菌した基礎培地を45~50℃に冷ました後,
ウサギ・馬・羊などの血液を必要量分注して作製します.
しかし,
45~50℃と言っても温度測定装置なんてないので,勘でやります.
保存していた基礎培地を電子レンジで溶解後,または,高圧蒸気滅菌後の基礎培地を攪拌後,
時々混ぜながら,ギリギリ素手で持ち続けられる温度になるまで培地を室温で冷まします.
だいたいこの温度で血液を加えると,経験上,きれいな血液寒天培地が仕上がります.
※混ぜないと底から冷えて固まってしまいます.
また,培地が熱いまま血液を入れると,
血液が変性して茶色(チョコレート寒天培地)になってしまいます.
滅菌シャーレ, 基礎培地, 血液を操作しやすいようにガスバーナーの周辺に並べましょう.
空中落下菌混入を防ぐため,ガスバーナーの周辺で以下の操作を行いましょう.
5%血液寒天培地場合は,190mlの培地に10mlの血液を加えます.
( 豆知識:%表記とmol/L表記があるが,%表記はおおよそで大丈夫! )
次に,基礎培地に血液を加えます.
下図のようにデカントで加える場合は,血液が入っている容器の口も火炎で軽く炙っておきましょう.
血液を加えた培地を,泡立たないように気をつけながら攪拌します.
注意)血液が底に溜まりやすく,攪拌せずに分注すると,
分注した最初と最後の培地で血液濃度が変わってしまう.
上の図は混ぜ方が雑で,よく見ると泡立っているのが見えます.
泡が残ったまま培地が固まると,菌接種の妨げとなってしまいます.
各滅菌シャーレに,血液寒天培地を 勘 で15〜20ml分注しましょう!
だいたい平面の9割を血液寒天培地で埋めた位が20mlです.
次の写真の量より,もうちょっと加えたくらいかな?
培地を加え終わったら軽くシャーレを揺らして,全体を培地で埋めましょう!
実は上の写真は悪い例で,培地に気泡が入ってしまいました.
こんな時は,培地を机に置いたままガスバーナーを手で持って,
泡に向かって炎を軽くあてると泡が消せます.
培地が冷めて固まるまで室温で放置しましょう.
培地が固まれば,シャーレの蓋を下にして保存しましょう.