重炭酸緩衝系は揮発性酸(CO2)を肺で排出し、不揮発性酸(乳酸、リン酸、ケトン体、硫酸、硝酸など)をH+として、腎臓で排泄してpHの維持を行っています。
重炭酸緩衝系の平衡式は
H2O+CO2↔H2CO3↔H+ + HCO3-です。
血液ガスの判読では
PaCO2の増加またはHCO3-低下→アシドーシス(pHの低下)
PaCO2の低下またはHCO3-増加→アルカローシス(pHの増加)
となることを基本として押さえておいてください。
血液ガスの判読ではまずpHによってアシデミア(酸性血)かアルカレミア(アルカリ血)かを判定します。
次にその変化を説明しうるPaCO2の増減(呼吸性変化)、HCO3-の増減(代謝性変化)を見いだします。
もう一方に変化がなければ急性でまだ代償が働いていない状態、もう一方がpHを改善する方向に向いていれば慢性的異常により代償が働いている状態だと判断します。
両者が同じ方向に変化している時は混合性変化で代償機構が破綻しているか、薬剤により病態が修飾されている状態だと判断できます。
混合性変化かどうかは後述する補正値などを駆使して確かめてみることになります。代謝性アシドーシスの鑑別にはアニオンギャップという考え方も駆使します。