EtBr (Ethidium Bromide : 臭化エチジウム) 染色とは、DNAを検出するための方法です.
電気泳動後のアガロースゲルをEtBr染色すると,移動したDNAの位置を知ることができます.
1,EtBrについて
2,インターカレートのイラスト
3,紫外線を照射して得られる画像(実験結果)
についてを簡単にまとめてある動画です.
YouTubeには意外といろいろ載っていますね.
Step1 アガロースゲルごとEtBr染色
PCR後のDNAは2本鎖になっており,
EtBrは2本鎖DNAに入り込みます(インターカレート).
Step2 水で脱色
アガロースゲルを水に浸すことによって,
DNAに結合していないEtBrを取り除く.
Step3 紫外線照射
紫外線を照射すると,EtBrが励起され,基底状態に戻るときに蛍光を発します.
この蛍光を検出することによってDNAがどこにあるかを知ることができます.
この時に用いる紫外線の波長は以下の2パターンがあります.
① DNAの最大吸光波長である 260nm の紫外線
この波長の場合,紫外線をDNAが吸光し,そのエネルギーがEtBrに渡り,励起します.
そのため,DNAを特異的に検出できますが,DNAが損傷します.
② EtBrの最大吸光波長である 302 or 312nm の紫外線
この波長だと,EtBrが直接,紫外線を吸光し励起するため,DNAに結合していないEtBrも励起します.
そのため,背景の輝度があがりますが,DNAへのダメージは軽減されます.
実験に適した紫外線の波長を選びましょう!
EtBrは2本鎖DNAに
入り込む性質を持っており,
発がんの可能性が示唆されています.
十分に注意して実験を行いましょう!
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下図は実験結果のイメージです.
この図は,上から下にDNAが移動しています.
白いバンド がDNAの位置です.
(私が使用している装置は蛍光を白黒表示する)
左のレーンはサイズマーカー
(サイズが既知のDNA:市販されている)
真ん中のレーンはPCR産物
(サイズマーカーのバンドからDNAの長さ推定)
右のレーンはnegativeのPCR産物
(鋳型DNAを入れてないもの )
問題( ・∀・)っ旦
もしもDNAが2本鎖ではなく1本鎖だったら?