院内で行われている性感染症検査の項目は主に
B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、梅毒トレポネーマ(TP)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)
かな? と思います
これらは、感度・特異度が高く、さらに、迅速化が著しく進んだイムノアッセイ法(免疫学的測定法)で検査を行っている施設が殆どでしょう。
まずは、イムノアッセイ法の測定原理をみてみましょう!
イムノアッセイの種類は沢山ありますが、臨床検査界の主流は
電気化学発光免疫測定法(ECLIA)、化学発光免疫測定法(CLIA)、化学発光酵素免疫測定法(CLEIA)、、、 でしょうか。
私が臨床で扱っていたものはARCHTECT i2000(測定機器) の 化学発光免疫測定法(CLIA)で、約30分で検査結果が出るものでした。
それぞれ少しずつ異なりますが、共通するのは文字通り「発光」させ、その発光量をキャリブレータで値に換算することで、測定値を算出しています。 まぶしい!
かなり省略していますが、測定原理は
① 検体と抗体固相化磁性粒子を混和しインキュベート、洗浄 (抗原が抗体に付く)
② 標識抗体(コンジュゲート)を混和しインキュベート、洗浄 (①で付いた抗原に標識抗体が付く)
③ 発光基質を混和 (標識を光らせる試薬)
④ 発光量を測定し、検体中の目的物質濃度を算出する
という流れになっています。 (モノの大きさ、行程などは無視してます、イメージです)
抗原抗体反応を利用しています。
測定機器(Architect i2000)を操作している動画がありました。実際はこんな感じで、上記の反応がブラックボックスの中で反応が起こっています。
何語でしょうかね?
これら測定法の長所・短所は
「長所」
特異性・感度に優れ、測定範囲が広い、測定時間が短い
長所だけを見るとすばらしい検査法ですね!
「短所」
対象物質(抗原、抗体)の多様性による特異度の低下
非特異反応の可能性(異好抗体、生体成分、自己抗体、免疫類似物質)
抗凝固剤の種類によっては不可なものがある
短所を見てしまうと、何だか怪しくなってきました。。。
そうです、反応を阻害する物質が存在すると、結果は正しくない可能性を有します。