日本において、最も古い「すし」の出現記録は、奈良時代の文献となります。
当時は皆さんがイメージする銀シャリ+生の魚介類ではなく、”なれずし”という形で食べられていました。
塩漬けにした魚介類をお米や雑穀などと一緒に樽に漬け、半年~1年貯蔵します。
すると乳酸発酵が起こり、お米はドロドロ、酸っぱくなります。
Phが低くなる、つまり酸性度が高くなることで雑菌の増殖を抑え、長期保存を可能にするのです。
琵琶湖の鮒(フナ)を使った鮒寿司が現存する最古の形となっています。
by Yasuo Kida https://www.flickr.com/photos/kidayasuo/3143156907/in/photostream/
実食したことはありませんが、においが結構衝撃的だとか…
いつか、挑戦してみたいです。
鎌倉・室町時代になると、”生馴れ”が考案されました。
麹を加えることで発酵を早め、1週間~10日で完成させることができます。
北海道から東北地方の日本海側にかけて、「ハタハタずし」(飯ずし)として現在も食べられています。
by Koji Haraguchi https://www.flickr.com/photos/horaguchi/5893167388/
握りずしが登場するのは、江戸時代のことです。
お米にお酢を混ぜた酢飯の上に、生の魚介類を載せた形、ファストフード感覚で”早ずし”と呼ばれていました。
こうして現代のお寿司が出来上がったのです。
by Nullumayulife https://www.flickr.com/photos/41265963/513270469/
始まりを辿るとお寿司は保存食として利用されていたんですね。
人口の増加と共に、手軽に魚介類を食べられる形へと変化したお寿司。
社会情勢は食文化と密接に関わっていることを感じました。