国際学会には主に以下の2種類の発表形式があります。
口頭発表
聴衆の前でスライドを用いてプレゼンを行う形式で、一般的には15分の発表時間と5分の質疑応答が割り当てられることが多いです。発表後の質問や、学会セッション終了後にさらに詳しい議論が行われることもあります。
ポスター発表
A0サイズのポスターを会場に掲示し、研究に興味を持った参加者に対して個別に説明を行う形式です。発表者と聴衆が直接対話できるため、具体的な質問やフィードバックを得やすい特徴があります。
今回、私が参加したISTP34は口頭発表形式でした。
私に割り当てられた時間はプレゼン12分+質疑応答3分で、一般的な学会と比べてやや短い時間での発表となりました。
私が所属する研究室の教授は、「良い研究結果は発表してこそ意味がある。国際学会で世界に発信できる成果を目指そう」と、研究室見学の際におっしゃっていて、この言葉が私の心に強く響きました。
その後の修士課程で、「国際学会に出られるほどの研究成果を積み重ねられたら、すごくかっこいいな」と思うようになりました。この「かっこいい」という感情が自然と自分の中で一つの目標となり、研究のモチベーションにつながっていきました。
修士1年の終わり頃、ある程度研究成果がまとまってきたタイミングで指導教員に「修士2年で国際学会に出てみたい」と相談しました。その結果、いくつかの候補を挙げていただき、最終的に参加する国際学会を決めることができました。
機械系の修士課程に在籍する大学院生が国内学会に出ることはよくありますが、国際学会に参加するケースはそれほど多くないと感じています。(これは私の周りの状況による印象かもしれませんが。)
特に、ポスター発表型の国際学会に比べ、口頭発表型の国際学会に参加する修士課程の学生はさらに少ないように思います。
国際学会で口頭発表する人の多くは博士課程の学生や、博士進学を目指している修士課程の学生など、これから研究で仕事をしていくと決めている方々という印象です。
私のように修士課程で卒業予定の学生が口頭発表をするのは、少し珍しいケースだと思います。
国際学会に参加するためには、少なくとも6ヶ月前から準備を始める必要があります。以下は、私が今回参加した学会までのスケジュールです。
時期 | やったこと |
2024年3月ごろ
2024年6月上旬 2024年6月下旬 2024年7月 2024年8月 2024年10月 2024年11月 |
国際学会に参加することを決め、参加したい学会をリストアップ・調査開始 参加したい国際学会を決め、スケジュールを確認 指導教員と相談しながら、学会に提出する論文のアブストラクト(約300単語の英語概要)を作成 アブストラクトの提出 学会に提出する論文(A4用紙4~6ページ程度)の執筆を開始 論文提出 発表用プレゼン資料の作成 学会参加 |
このように、国際学会への参加には長期間にわたる準備が必要です。
特に、目星をつけた学会のスケジュール上、6ヶ月以上前から準備を求められる場合が多いため、早い段階で研究成果をまとめておくこと(またはとりあえず参加することだけ決めておいて後から頑張って作り出すこと)が求められます。
日頃から計画的に研究を進め、発表可能な成果を準備しておくことが重要です。
少し大変ですが、その分、学会での発表は大きな達成感を伴うものになると思います。
修士の学生の場合、学会参加にかかる費用は研究費(研究室の研究費や指導教員の科研費など)から賄われます。
ただし、研究費は税金を原資とすることが多いため、経費削減が求められるのが一般的です。できるだけ安い飛行機で行きましょう。
今回の学会参加では、以下の費用を研究費として支出していただき、国際学会で発表を行わせていただきました。
・台湾までの往復の飛行機(福岡ー台湾 往復約6万円)
・ホテル代(1泊約1万円、4泊5日で約4万円)
・学会参加費(2.5万円)
・日当(約3000円×3日=約9000円)
合計 約14万円程度
これらの費用は研究費から支払われるため、実際に自分が負担するのは現地での食事代や交通費程度です。今回の台湾での学会の場合、物価が比較的安かったこともあり、昼食や夕食を含めても4日間で約1万円と、金銭的な負担は軽かったです。欧米での学会にかかる費用と比べると、基本的な出費が少ないのではないかと思います。
ただし、上記の費用は一時的な立て替えが必要だったので、その点がやや負担に感じました。