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ジャンヌ・ダルクへの学際的アプローチ : 「恋い」から「問い」への昇華法: 視覚文化

世界史上の有名人の一人であるジャンヌ・ダルク(1412頃-1431)が、後世の文学・思想などに学際的な受容をされてきたことを紹介していきます。

概要

本頁では、ジャンヌ・ダルクを描いた近現代の視覚文化について紹介します。

絵画をはじめとする視覚芸術は、描き手のジャンヌ・イメージを一目で伝えてくれます。

参考文献

西洋美術

図5 『旗印を持つジャンヌ・ダルク』(15世紀後半)

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Joan_of_Arc_miniature_graded.jpg, 2021/3/1

世界史教科書や資料集を開くと、まずは上図を見かけることが多いでしょう。15世紀後半、ジャンヌ・ダルクが没して半世紀後に書かれた細密画(ミニアチュール)です。ジャンヌの生きた時代には当然肖像写真はなく、また活動期間が非常に短かったため、同時代人による肖像記録もほとんど知られていません。現代に至るまでのジャンヌ肖像は、ごく僅かな資料と想像力をもとに描きあげた産物です。鎧の分厚さが再現されているためでもあるでしょうが、強健な体格を持つ女性として描かれているように見えます。

 

“Joan of Arc at the Coronation of Charles VII in Reims Cathedral” [Credit: Archivo Iconografico, S.A./Corbis]

図1(再掲) ドミニク・アングル『シャルル7世戴冠式のジャンヌ・ダルク』(1854年)

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Ingres_coronation_charles_vii.jpg, 2021/3/1

続いて、一般的にジャンヌ・ダルクと言えばこの図を想起する人が多いでしょう。フランスでジャンヌ・ダルク再評価が大いに進んだ19世紀には、「鎧を纏った華奢な聖少女」という現代的イメージがほぼ固まってきました。

興味深いことに、上図を見ると、キリスト教において聖人を表す印である光輪がジャンヌの頭の周りに書き込まれているのが見えます。列聖の半世紀以上前のことです。

現代日本のサブカルチャー

1. レベルファイブ作『JEANNE D'ARC』(2006年)

『妖怪ウォッチ』の制作会社として有名な福岡のゲーム会社レベルファイブが開発したシミュレーションRPGです。

史実の百年戦争にファンタジー要素を含めた世界設定で、敵に魔物やドラゴンが現れ、ジャンヌ・ダルクを含む人間キャラクターが魔法を使ったり変身したりして戦っていきます。

ストーリーの途中では史実を離れた独自ルートに進みます。

2. TYPE-MOON作『Fate/stay night』シリーズ(2004年-)

奈須きのこ原作、武内崇原画のPCゲーム『Fate/stay night』(2004年)から始まるFateシリーズは、神話や史実の英雄たちを「サーヴァント」として現代や並行世界に召喚し、万能の願望機「聖杯」をめぐって闘争を繰りひろげるさまを描いた一連の物語群(サーガ)です。円卓の騎士やギリシア神話の英雄たちをはじめ、世界的知名度を誇る英雄から日本では無名の人物まで数多く登場します。

ジャンヌ・ダルクは裁定者のサーヴァント「ルーラー」という特殊クラスとして召喚された、作中世界の中でも重要人物とされています。

各サーヴァントは生前の武器・道具や逸話をもとにした切り札「宝具」を所有しています。ジャンヌは以下の二つの宝具を持っています。

『我が神はここにありて(リュミノジテ・エテルネッル)』: 戦場で振るった愛用の旗を用いる防御型宝具。ランク: A。

『紅蓮の聖女(ラ・ピュセル)』: 自らの命を奪った火刑の火を纏い、サーヴァントとしての自身の命と引き換えに力を開放する聖剣。ランク: C (発現前) / EX (発現後)。

イラストや設定はインターネット検索で調べられます。