Kさんが実際に目撃した話。
Kさんは、とある学会で研究発表を聴いていました。
壇上では、研究者が指し棒を使いながらスライドの説明をしていました。
スライドが切り替わったとき、彼は戸惑いの表情を見せ、こう呟きました。
「…勝手に動いている」
いま、パソコンの前には誰もいないはず。
ところが、スライドは再び静かに切り替わりました。
「…すみません。…スライドの…調子が…悪いようです。」
ごまかす研究者ですが、隠しきれない動揺が、声を震わせます…
次々と表示されるスライド。
それは不思議なことに、実際に発表するようなテンポで切り替わっていく。
まるで、見えない誰かが、聞こえない声で、勝手に発表しているかのようだったといいます。
Kさんが目撃したこの不可解な現象。
それは、パワーポイントの「タイミングを使用」という機能が原因です。
パワーポイントでは、スライドショーを記録し、再生する機能があります。
「タイミングを使用」とは、記録されたタイミングでスライドを表示する機能だったのです。
恐らく研究者は、事前にプレゼンを練習し、記録したのでしょう。
そして上の図のように、「タイミングを使用」にチェックを入れたまま登壇したものと思われます。
「見えない誰か」とは、練習をしていたときの自分自身だったのです。
事前に練習するのなら
発表の前に練習しておくことは非常に大切です。
スライドを記録しながらリハーサルするのも、練習の一環としてもちろん有効です。
ただし、事前にいろいろと練習したときには、「タイミングを使用」にチェックがないか、確認しましょう。
直前が大事
「タイミングを使用」のほかにも、アニメーションの設定や、誤字、フォントの違い、ページ付けなど、本番になってスライドがおかしいことに気付くことはよくあります。
見落としたまま本番に突入して悔しい思いをしないように、直前にあらためてスライドを確認しておくと、より確実です。
おまけ:「発表者ツールを使用する」にも注意
発表の際、手元のPC画面に、タイマーやノート、次のスライドなどを表示する機能です。
だし、パソコンによっては、ここにチェックを入れると、スライドショー以外のPC画面がスクリーンに表示されなくなることがあります。スライドショーを一時中断してPC画面を直接見せたいときには、注意が必要です。
※詳しくは、マイクロソフトのサポートページをご覧ください。