読書会って、聞いたことありますか?
読書会とは、決められた課題本を読んできて、各人が各々の感想や考察を語り合う会のことです。文学部の研究室などでは、それぞれの専門の古典を勉強するために開催されることもあります。
といっても、あまり固くなる必要はありません。誰しも本を読むことが好きな人であれば、本を読んで身が震えるような感動を味わったり、頭がアツくなるくらい考え込んでしまったりすることがあるのではないでしょうか?
読書会は、そのような読書体験を語り合い、共有するためにあるのです。
ある先輩Cuterから、「読書会は<自己>を持ち寄って、<他者>を持ち帰る行為である」と伺ったことがあります。
読書会を通じて、一人で読んでいるときにはたどり着けなかった風景が、あなたの前に広がるかもしれません。
今となっては大学生になじみの薄い「読書会」ですが、昔は学生文化の一角を占めるほど盛んに行われていました。戦前の高等教育機関の一つに、「高等学校」と呼ばれる学校群があり、この学校の卒業生の多くは帝国大学へ進学するという、いわば特権的なエリートの卵たちが通っていた学校ですが、ここの学生文化の一つとして自主的な「読書会」がありました。初期のころは主に西洋の古典を読むのが主流だったようですが、だんだんとマルクス主義について本を読むことが多くなっていったようです。その後、旧制高等学校の読書会の伝統は後身の新制大学教養部でも残り、1970年代のはじめくらいまではそれなりに行われていたようですが、その後徐々に衰退の道をたどることとなったのです。
(戦前の学生文化に興味のある奇特な方は、ぜひ左に挙げた本も読んでみてください)
しかしこの読書会が、近年にわかに注目を集めるようになってきました。大学生ではなく、ビジネスマンなどが、喫茶店や図書館などで、ビジネスに係わる自主的な勉強会として開催しているようです。各地に様々な名前の「読書会サークル」なるものが結成されているということも耳にします。
九州大学附属図書館では、私たち図書館TA(Cuter:キューター)の企画として2015年11月に開催されて以来、1,2ヶ月に一回のペースで開催されています。現在は「九大百冊」に選ばれている古典の中から一つを選んで課題本としていますが、今後は様々なジャンルの本を選んでゆきたいと考えています。
乞うご期待!