課題本を読み込んで,さあいよいよ読書会本番です.
開催場所は自宅でも,喫茶店でも,図書館のオープンスペースでも,会議室でもかまいません.参加者同士の声が聞こえる範囲で集まれるような席の配置にするのがベターです.ちょっとした茶菓子やコーヒーなども用意しておくと会話が弾みます.(盛り上がってしゃべっていると結構のどが渇きます)
部屋の広さは参加人数にもよりますが,参加人数が多ければいくつかのグループに分けて実施する方がよいです.各グループの人数は多くても8人くらいが良いでしょう.10人くらいになると参加者同士お互い初対面の場合顔を覚えることが難しいですし,ファシリテーターも話題が移ろいやすいのでまとめるのが大変です.1つのグループは5~8人程度にまとめましょう.
読書会中のファシリテータ-の役割は前のページで示したように,
「①参加者の意見・感想を引き出す」
「②出てきた意見・感想をまとめる」
「③議論の交通整理を行う」
です.参加者から自発的に意見・感想を引き出すのは難しいもの.そこで課題本を読み込む際に作品の「起・承・転・結」ごとに用意してきた発題を提示し,それに対するレスポンスとして参加者の意見・感想を引き出しましょう.そして出てきた意見・感想の要旨を抜き出して,「○○さんの意見は~ということですね」という風にまとめて参加者全員の理解を助けることができるとGOODです.もしも議論が課題本と余りにかけ離れた明後日の方向に向かいそうになったら交通整理を行い,やさしく本筋に戻してやりましょう.
読書会の終わり方が分からない!という方も多いようです.筆者もかつて読書会を企画したときどうしたものか悩んだ挙句いきなり「それでは,以上で読書会を終了します」と強制終了してしまい会が尻切れトンボになってしまった苦い思い出があります.結局のところ,読書会の終わり方に正解はありません.しかしいい感じにおわるためのいくつかの方法として
「ファシリテーターがこれまでの意見の要旨をまとめる」
「参加者一人ひとりに読書会を終えての感想を語ってもらう」
これまでの議論の中でたびたびあらわれたテーマ・議題があれば,ファシリテーターがそのテーマに対する各参加者の意見の要旨をまとめてもよいですし,そのようなテーマ・議題がなければ参加者一人ひとりに感想を聞くのもありでしょう.いずれの方法をとるにせよ,読書会の終わり時間をきっちりと決めておくことも重要で,読書会の幕引きをスッキリとしたものにできます.