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★読書会のはじめかた: 課題本を読み込む

一人で読書もいいけれど、みんなで読めば、もっと楽しい。 近頃話題の「ゆるふわ読書会」、これを読んで、君も企画してみよう!

「60分」図解トレーニング ロジカル・ファシリテーション

課題本ってどうやって読めばいい?

さあ課題本が決まりました!参加者はそれぞれが読書会までにこの課題本を読み込んでくることとなります。もそのまえに、この課題本の読み込み作業、じつは参加者が読書会で担う役割によって読み込み方が少し異なってくるのです。

役割といっても、読書会の進行をまとめる人(以下、ファシリテーター)と、一般参加者、ゆるふわ読書会ではこの2種類だけです。課題本の読み込みポイントについて語る前に、少しだけこの2者の読書会での役割の違いについて確認しておきましょう。ファシリテーターと一般参加者、両者の役割の違いは以下のようにまとめられます。

この役割を踏まえれば、おのずと読み込み方が見えてきます。

「一般参加者」の役割は簡単!課題本を読んできて、「ここが面白かった / つまらなかった」あるいは「なんで主人公はこんな行動をとったのだろう?」、「なぜ作者は作中でこのような表現を使ったの?」などなど、感想や疑問点などの読書会の議論のタネとなるトピックを用意する必要があります。付箋の貼り付けや本へのメモ書きなどで、自分がどこに魅力を感じたのか、感銘を受けたのか、疑問を感じたのか、記録に残しながら読んでみましょう。筆者のおすすめは、5cm四方くらいの大きめの付箋に感じたことを箇条書きにして、該当部分へ貼り付けておく方法です。付箋が大きいので、記録に残すことのできる情報が多くなり、読書会本番で読み返すときにも一目瞭然です。

次に「ファシリテーター」についてです。ファシリテーターという呼び名を聞いたことのない方もいらっしゃるかもしれませんが、ファシリテーターとは、要は読書会の司会進行を担当するまとめ役です。しかしこのファシリテーター、難しいのはあくまで読書会の参加者の意見を「引き出す」ことが役割であって、作品の読み解き方の正解を提示する役割ではない、ということです。ファシリテーターは作品を一度ザッと読んだ後、作品を「起・承・転・結」で4つのセクションで分割し、それぞれのセクションにひとつかふたつくらいの「発題」を用意すると良いでしょう.この「発題」は,「皆さんは主人公がここでこのような行動をとった理由はなぜだと思いますか?」程度のもので大丈夫です.この「発題」は議論のスターターのようなもので,発題をきっかけとして各参加者が感想や意見を言い始めるきっかけになればOKです.なお、2~3人など、ごく小さいグループで読書会を実施する際には、このファシリテーターは必ずしも必要ありません。ただ、参加者が4人以上となると、話があっちこっちに迷走しがちなので、ファシリテーターがいたほうがより安心です。

追加として,ファシリテータ-の方はもちろんなのですが,一般参加者の方も,小説であれば作者の生い立ちや書かれた当時の時代背景などもあらかじめ調べておくとよいでしょう.これらの背景は小説のテキストのなかに編みこまれて作品の奥深さを作り出していることがあります.ぜひチェックしてみてください.

読書と社会科学