これまでで伝えた通り、地球温暖化を止めるために「化石燃料からの脱却」を目指した技術開発が世界中で進められています。
そこで化石燃料の代替燃料として期待されているのが、水素です。
しかし水素には作る方法や貯蔵、輸送などに欠点もあり、そこの問題を解決できる可能性のあるものがアンモニアです。
アンモニアにも課題があり、ハーバー・ボッシュ法以外の製造方法など様々な研究が進められています。
これらのニュースを見ていると毎日のように新しいものが発表されています。
ついていくのは大変ですが、ぜひ新聞やニュースを追いかけて知識を深めていってください。
最近、日本ではSDGsという言葉をよく見かけるようになりました。
SDGsとは「Sustainable Development Goals」(持続可能な開発目標)です。
これはエネルギーや環境問題のみならず、貧困や人々の幸福についても定められた目標です。
私は「持続可能な」という部分が非常に重要であると考えています。
二酸化炭素を出したくなければ、今すぐ化石燃料を使うのをやめればもちろんかなり削減されるでしょう。
その代わり、多くの人が仕事を失い、食料が不足し貧困に苦しむ人はさらに増え、多くの人が亡くなってしまうかもしれません。
これでは持続可能ではないのです。今の人々も未来の人々もみんなが幸せに生きられるような社会を作ること、これがSDGsの目指すものです。
もちろん、先進国が豊かさを享受する一方で、犠牲になり苦しむ人、格差や貧困で苦しむ人が世界中に多くいることは理解しています。
しかし私ができることは今の豊かさを捨てることではなく、工学に携わる人間として今の人々の暮らしを守りながら未来の人々の暮らしも守るための技術を考えることだと思います。
一刻も早くこの問題を解決するため、世界中で様々な研究開発が日々進み、毎日のように新しい技術が生まれています。
このガイドを読んでくださった方は環境問題、エネルギー問題について基礎的な部分は理解されたと思います。
ぜひ、これを足掛かりに環境問題に関心を持ち、将来について考えるきっかけになれば幸いです。