「環境問題」というと小学生のころから聞き馴染みのある言葉だと思いますが、では、環境問題って何?という質問に自信を持って答えられるでしょうか。
これだけ聞き馴染みのある言葉ですが、実は結構答えることが難しいと思います。
人によって少し定義は異なるかもしれませんが、ここでは「人の活動によって自然環境に与えた影響が引き起こすあらゆる問題」とします。
ここで何が重要かと言いますと、「人の活動によって」ということです。
そもそも地球には様々な要因による周期的な気候変動があると言われています。
(詳しくは地球環境研究センターのHP)
しかし、これらは人為的なものではなく、人には制御できないものなので対策の仕様がありません。
しかし人為的な要因によって引き起こされるものは違います。
つまり、地球の活動による気候変動はともかく、人の活動によって引き起こされる問題には対策の仕様があるということです。
では、次に環境問題には具体的にどのような問題があるでしょうか。
昨今のメディアなどを見ると、環境問題といえば地球温暖化というほど地球温暖化に注目が集まっていますが、もちろんそれだけではありません。
その他にも、大気汚染、森林破壊、海洋汚染、水質汚染なども非常に重大な環境問題です。
これらの5つの環境問題を合わせて5大環境問題と呼びます。
もちろんこの他にも、オゾン層破壊、砂漠化などなど環境問題は多くあります。
そして重要なことが、これらの問題は決して別個の問題ではないということです。
下の図のように、それぞれがお互いを更に深刻化させるように影響し合っています。
図1 環境問題の相互関係(筆者作成)
このように人間の活動が生み出した環境への影響が相互に影響し合い、ほかの問題を更に深刻化させます。
例えば火力発電所や船のエンジンなどでは化石燃料を燃やしてエネルギーを得ていますが、この際に二酸化炭素(CO2)、亜酸化窒素(N2O)や窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)を排出します。
すると温室効果ガスである二酸化炭素や亜酸化窒素は地球から放射される熱を吸収し、大気の温度を上昇させます。気温の上昇は森林火災の一因でもあるため、それにより森林面積が減少し、二酸化炭素を吸収する森林が減ることでさらに大気中の二酸化炭素濃度が上昇します。
一方で窒素酸化物や硫黄酸化物は大気汚染物質として雨などに溶け込み、酸性雨を降らせます。すると土壌や河川に影響を及ぼし、森林が枯れてしまいます。これ以降は先ほどと同じく、更なる温暖化、森林破壊を招き連鎖します。
このように環境問題はお互いに連鎖し、問題を深刻化させます。
このガイドでは地球温暖化に焦点を当てて、その対策として注目されているCO2を排出しない次世代燃料について解説しますが、もちろん環境問題はこれだけではないことを覚えておいてください。
次に地球温暖化について詳しく解説します!