これまでに、子宮頸がんと、ワクチンについてお話してきました。最後に、子宮頸がん検診についてお話します。
HPVワクチンを接種することで、2価と4価では60〜70%、9価であれば80~90%、子宮頸がんを予防することができると述べました。残りの10~40%は?と思った方もいらっしゃるかもしれません。ワクチンを接種しても全てのハイリスクHPV型を防ぐことはできないため、子宮頸がん検診を受けることも大切です。
2年に1度は受診をするべきと言われており、無料で健診を受けることができるクーポンを配布しているところもあります。
*福岡市の場合、令和6年度は、20歳(2003年4月2日生まれから2004年4月1日生まれ)の女性が子宮頸がん検診無料クーポンの対象者となっています。
ワクチンを接種したから安心ではなく、定期的に検診にも行って、早期発見・早期治療ができるようにしましょう!もしワクチンを接種するのが怖いという方がいらっしゃったら、子宮頸がん検診だけでも行き、早期発見に努めましょう!
実際の検査はカーテン越しに行ってくれるところが多いので、医師と対面で目があうことはほぼありません。
子宮頸がん検診は、子宮頸部の細胞を採取して、細胞の形を調べる検査です。
擦過法という方法が主に用いられ、ブラシやヘラなどで子宮頸部を擦り、細胞を採取します。その細胞の形や所見から、次に行う検査が決定されます。
子宮頸がんは、現在、スクリーニング検査が利用できる唯一のHPVがんです。子宮頸がん検診では、子宮頸がんだけでなく、前がん病変(子宮頸がんを発症する前の段階)を発見することができます。前がん病変のうちに発見することができれば、治療をすることで子宮頸がんを予防することができます。
前がん病変の治療では、円錐切除という手術を受けることができ、子宮が温存されるため、妊孕性(にんようせい)(妊娠できること)を保つことができます。
(治療について詳しく知りたいと思った方は、おまけへ)