九大図書館にあるおすすめ本紹介します！（2017年）: 【第6回】 研究や実験に役立つあれやこれ

幼い頃からバッタが大好きで、「バッタに食われたい」と願い続けた結果、バッタに明るい昆虫学者になったという際どい著者による、ポスドク時代の研究留学記。バッタ被害の深刻な国に赴き、大発生のメカニズムを研究する著者が、ポスドクの苦労あるあるや、現地人とのドタバタなど、思わず笑顔になるエピソードを、くだけた語調で紹介しています。留学の面白さ・研究の楽しい側面が垣間見れる一冊。

20代は研究者として緑内障に取り組み、30代は臨床医として患者に向き合い、40代は社長として新薬開発ベンチャー企業を立ち上げー。
医学部に行ったら臨床医、博士まで出たらアカデミックポスト、といった進路をとる人が主流の中、この著者は多様な生き方と可能性を示唆してくれます。
要は、芯をしっかり持って生きる、ということでしょうか。

研究室の人間関係で...、周りと比べて自分は論文が出ない…、
そんな悩みを持つ研究者の方々に伝えたい「まずはやってみよう」。
この本には、研究で悩む人々が「まずはやってみよう」と行動に移すために役立つ“考え方”が示されています。
悩んでいる人はとにかく、まずはこの本を読んでみよう。
僕は、「研究者も営業職」という言葉にドキッとしました。

論理的思考力を身につけたい、創造的な仕事がしたい、英語力を上げたい、幸せになりたい…でもどうしたらいいの？と悩む研究者に読んで欲しい一冊。そもそも、論理的思考力ってなに？創造的ってどんなもの？この本を読めば、今までとは違う観点から物事が見えてくるはずです。しなやかに考えて、幸福に生きよう。

何のために研究しているか明確な答えがあるか？承認欲求がモチベーションになっていないか？頭でっかちで物事を考えていないか？モデルになる研究論文を見つけられたか？遠くの景色を見ているか？自分一人でやろうとしていないか？八方美人になっていないか？コントロールの重要性に気付いているか？実験や解析さえ終わればすぐに論文になると思っていないか？よく眠っているか？身体をいたわっているか？感謝しているか？

「iPS細胞」と「6元クォークモデル」、二つの世界的大発見を成し遂げた、二人の研究者のアタマの中を、対話形式の内容から覗くことができます。学生時代の思い出、研究中の挫折・失敗・“地獄”エピソード等々、世間には出て来にくい、お二人のある種「人間臭い」部分が本書に詰まっております。
研究内容の項目に関してはほぼ参考になりませんが、成功者の「下積み時代」から、刺激をもらえるのではないでしょうか。

論文を読むと記載されていることは理解した気になりますが、周辺知識を含めた深い理解まで得られたかと言うと疑問な方が多いと思います。そして、記載されているAbstract以上に、その分野の歴史的な背景なんてさらに分からないところですよね。
この本では、重要な有名論文に対して日本語で背景、意義、文意が解説されていて、何故この論文が出来たのか、何故重要な意義を持つのかを深く理解することができます。優れた論文に優れた解説は鬼に金棒です。

Science日本語版監修者が、TitleからAcknowledgementsまで、英語論文作時に重要なポイントを簡単に記載しています。さらに、迷ったらネットで検索、というのがとても良いです。試薬や実験方法などはネットで検索する癖が付いている方が多いと思いますが、英語論文執筆時にも使えるテクニックだったのです。科学者はこの単語をどの様に使っているのか、どの組み合わせで使うのか、テキストに情報が無い時はネット検索エンジンの力を借りましょう。

『ジキル博士とハイド氏』のモデルとなった人物、と聞けば、いったいどんな恐ろしい人物かと、想像するかもしれない。
いや、でも実際恐ろしい。破天荒な好奇心、常識を超えてたレベルでの解剖へ向けた情熱、しかし彼のこれらの行動がこれが18世紀においてどれほど医学的進歩を見せたか、ということを考えると彼がただの『ハイド氏』ではないことを思い知ると思う。読了後、もしかしたらファンになっちゃったりしているかもしれない。でもただひとつだけ、決してお手本にしてはいけない。
お手本にしてはいけませんよ。

一流の研究者と二流以下の研究者を分けるのは研究者の持つ●●であり、また研究を進めていくうえで大事な●●も、その差を決定づける要素になります。
著者はこの二つの重要性を、多様な視点から解説しています。また、「二流以下」の研究者が陥りがちな、名誉や権力に溺れた先の悲惨な末路について、研究を志すものなら誰でも知っているような「実例」を引用し、その危険性を粛々と諭してくれます。気が引き締まること間違いなし。

研究では必須の統計学･･･。便利なソフトも多くてよく分からないけどなんとなく統計処理をしている人必見！
この本で統計学の基本が分かる！正しく理解すれば正しく統計が使えます。統計初心者に絶対おすすめな一冊です。

薬学部から工学部の統計学研究室へ進み、生物統計学の研究者になった著者による、統計学の入門書。平均値の例でプロ野球選手の年収、バイアス値の例で就職したい企業ランキングなど、学びやすくする工夫がところどころに見えて、読みやすくなっています。

この本は、実際に統計を使いこなすためのものではなく、統計を使った論文をしっかりと理解するために書かれた本です。電車の中でも読めるくらいに噛み砕いて書かれてあるので、まずはこの本から勉強することをおすすめします。第2巻と第3巻も続けて読めば、統計だけでなく、論文のごまかしや質を見抜く力もつきますよ！

「エクセル使えますか？」と聞かれたら、ほとんどの人が「使えますよ」と答えると思います。でも本当にそうでしょうか？
数字を入れたら勝手に日付に変更されてイラッとなったり、離れた場所のセルの額を足したいけどよく分からなかったり、全角を半角に一生懸命変えたり・・・大したことないけど、知っていたら時間短縮と効率をかなりアップすることのできる関数を厳選して教えてくれます。続編↓もあります。

「ああしたい」「こうしたい」と思っていた237のテクニックについて、細かく教えてくれます。
絵心がなくても、それなりに見えるものが作れるかも？！論文の表紙用の画像をカッコよくしたいと思っている人におすすめ！
CC(Creative Cloud)にも対応しているし、本の中で解説されているサンプルのデータはダウンロードできるので、腕を磨くのにぴったりです。

こちらの本も、実際のサンプルデータをダウンロードできます。
全104の加工例を学ぶことができ、それぞれのビフォーアフターにはびっくりします。どちらかといえばクリエイティブ向けの内容なので、サークルや学会のポスターをかっこよくしたい人向けでしょう。

細胞培養をする人には絶対おススメです！
写真やイラストが多いだけではなくて、5日間で細胞培養の基礎を習得できる実験例つきです。
必要なところだけやるもよし！とりあえず一通り練習してみるもよし！
出版社のWebサイトには実験動画も公開されているので、とても参考になりますよ。

そこのあなた！顕微鏡を正しく使えている自信ありますか？？
ただなんとなく見えているからいいや･･･と使っているなら一度読んでみて下さい。顕微鏡のしくみや正しい調整の仕方が分かれば、見たいものがもっとはっきりと見えるかも！

ラボノートはどうして書かなくてはいけないのか？正しく書くためにはどうすればいいのかが詰まった一冊です。書き方～ノートの管理の仕方、ノートの役割など幅広く書かれていて参考になること間違いなし！！電子版もあるのでアクセスしてみて下さい！

実験や研究に必ず必要な実験ノートの書き方を知っていますか？
この本では書き方だけでなく、ノートが成功に繋がるためのノウハウを教えてくれます。悪い例、良い例が対比させてあるので、実験ノートを書いたことのない人でもイメージしやすいと思います。

実験レポートや卒業論文などを書くときに役立つ本です。
論文やレポートの構成のしかたはもちろん、分かりやすい文章の書き方がまとめてあります。
感想文とは違う論理的な文章を書くためのノウハウがたくさん詰まっています。便利な電子版もあります。

NGSの本ですが、この本はdryな部分よりもwetな実験の方に重きを置いています。wetな実験はデータのクオリティに影響するとても重要な部分です。目的・実験方法別に書かれているので、自分の実験に必要なプロトコル・コツを知ることができます。かなり詳しく記載されているのと、適度に図で説明されているので分かり易い。スタンダードと銘打ってあるだけあって、NGS解析の基礎を知ることができる重要な一冊です。