小児の脳波にはどのような特徴があるのでしょうか??
<基本活動の変化>
小児の脳は発達中であるため、その脳波は年齢によってすこしずつ変化していきます(発達現象がみられる)。
●周波数
小児の脳波は低い周波数成分が中心です。
1歳で5Hz,3歳で6Hzという具合に年齢とともに少しずつ高くなっていき、8歳ころには成人と同じ10Hzほどになっていきます。
●α波の出現部位
1~3歳まで:中心・頭頂優位 ⇒ 4歳ころから:後頭部優位
<反応性の変化>
●過呼吸賦活
正常な成人ではあまりみられないbuild-up(振幅増大・徐波化)が、小児では正常でも強くみられます。
高齢になると脳波はどのような特徴を持つようになるのでしょう??
<基本活動の変化>
●徐波の出現量の増加
成人ではθ波の振幅と出現量は年齢とともに減少していきますが、高齢者では再び増加します。
高齢者では、振幅が高くない・散在性に・比較的速い(6~7Hz)θ波が増加します。
●α波の周波数と出現量
優勢であるα波の周波数は老化によってわずかずつ低下します。
(若年成人平均10.8Hz → 60,70歳代9Hz → 80歳代8Hz)
さらに、α波全体の出現量は老年期になると低下するといわれています。
●α波の出現部位の広汎化
高齢者では、本来α波優勢である後頭部と他の部位とのあいだのα波の出現量・平均振幅の差が若年成人より低下し、広汎化傾向を示します。
●β波の増加
振幅は大きく変化しないが、出現量は高齢者、特に女性で増加します。
しかし、80歳を過ぎると著明に減少するそうです。
<反応性の変化>
●開眼
高齢者では開眼によるα波の抑制(α-blocking)が低下します。
●過呼吸賦活
高齢者では、過呼吸に対するbuild-upの出現が弱くなります。
これは高齢者ではもともと、
筋力の低下などによって十分な換気が得られにくいため、また脳血管の反応性が低下するため
であると考えられています。