どうしてヨーグルトはおなかにいいと言われているのでしょうか?
「免疫」に注目して解説します(・∀・)
光岡 知足.腸内菌叢研究の歩み.腸内細菌学雑誌.2011, 25, 113-124.
ヨーグルトには
「生きた乳酸菌を含むもの」と「死んだ乳酸菌を含むもの」の2種類あります。
以前までは、生きた乳酸菌を含むヨーグルトの方が健康への効果が高いのではないかと考えられていました。
生きた乳酸菌が腸内で増殖し、その代謝産物が悪玉菌の棲息しづらい環境をつくりだすと思われていたのです。
しかし、現在ではヨーグルト中の乳酸菌が生きていても死んでいても効果があるとする論文が多く発表されています。
というのも、菌の生死に関わらず菌体成分そのものに腸の免疫機能を活性化する効果があるからです。
マニアックになりますが、ヨーグルトが腸内の免疫に働きかける過程を解説します。
1.ヨーグルト中の乳酸菌が腸に到達。
2.「M細胞」という、腸管独自の取り込み装置によって乳酸菌の成分が取り込まれる。
3.周囲にいる「マクロファージ」や「樹状細胞」といった免疫細胞たちがそれに反応し、集まってくる。
4.マクロファージや樹状細胞に備わっている色々な種類のセンサー(受容体)が、乳酸菌の成分を発見・認識する。
5.センサーの種類ごとに、マクロファージや樹状細胞は多種多様な免疫反応を起こす。