□神経調節性失神
□心原性失神
□起立性低血圧
□心原性失神(洞不全症候群など)
□出血による起立性低血圧
□椎骨脳動脈系一過性脳虚血発作
□一見失神に思える意識障害や痙攣
高齢者に多く、虚血性心疾患、頻脈性あるいは徐脈性不整脈、弁膜症などが基礎疾患としてある場合が多い。
(これらがなくても喫煙、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの心血管系の危険因子を持つ患者では常にこれを考えておく必要がある。)
典型的症状としては臥位もしくは労作時に起こり、何の前触れもなく起こることもあれば、失神前に胸痛や動悸を感じていることもある。
心原性失神のある人はない人と比較して全死亡のリスクが約2倍高いとも言われており、心原性失神を見逃さないことは失神の診療において最優先課題となる。
背景疾患のスクリーニングとして心電図や心エコーが重要となる。
神経調節性失神は20〜60%程度と失神の原因の中で最も多い。
典型的な症状は高温環境、人混み、ストレス、長時間の立位、不眠、疲労、疼痛、排泄、食事、咳、嚥下などを誘引とし、自律神経の調節に異常をきたした心拍数の減少や血管の拡張が起こり、脳血流が低下し失神が起こる。
大半は倒れてから1分以内に意識を取り戻す。若者で過去にも既往があるものが多い。
神経調節性失神は頻度が高いが予後はよい。身体所見、心電図などとあわせて危険な失神が否定的で、神経調節性失神に特徴的な症状があれば診断はほぼ確定的である。