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細胞培養入門: PBS(-)

細胞培養をこれから始める人に、培養の基本を解説します! 実験で使う水の種類や無菌操作についても説明します!

PBS(-)

食塩で等張にしたリン酸緩衝液で2価の陽イオンであるCa2+、Mg2+を含まないものをPBS(-)といい、

細胞培養では継代培養*での細胞の洗浄や、細胞のカウント時の希釈溶液などとしてよく用いられています。

細胞培養の方法が説明してある参考書などにも必ずPBS(-)が使用してあります。

*継代培養・・・細胞培養において細胞の一部を新しい培地に移し、再び培養することです。

       培養中に細胞の数が増えすぎると細胞も窮屈なので希釈し別の培養容器に播きなおします。

 

 

ここでふと疑問に思ったのが、

どうして2価の陽イオン(Ca2+、Mg2)を含んでいてはいけないのか???

ということです。

 

とくに理由が無いのであれば普通のPBSを使用してもいいのでは!?

 

 

調べてみると、細胞同士の接着などにカルシウム、マグネシウムを介したものがあることがあり、

カルシウムやマグネシウムを含むPBSを使用してしまうと細胞同士がくっつきあってしまうみたいです。

そのため、継代培養のときなど細胞同士をばらばらにしたいときにはPBS(-)を使用する必要があり、

カルシウムやマグネシウムを含むPBSではダメだということです。

 

PBS(-)は比較的、細胞への影響は少ないとされていますが、

細胞の種類やPBS(-)の使用時間によっては影響を受けてしまうことがあるので、注意が必要です。

(通常、30min以上細胞を保持するときはPBS(-)よりも培地を使用するほうがいいです!)