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細胞培養入門: 培地(その2)

細胞培養をこれから始める人に、培養の基本を解説します! 実験で使う水の種類や無菌操作についても説明します!

バッファー

培地を細胞が育つのにちょうど良いpHに維持するためには

バッファー(緩衝液)が必要です。

細胞培養でよく使用されるバッファーとしては

重炭酸が挙げられます。

(ちなみに私たちの体の中でも重炭酸系による

 緩衝によりpHが一定に保たれています)

 

重炭酸の緩衝能は

  CO2 + H2O ⇔ H2CO3 ⇔ HCO3 - + H+

 

 により示されます。反応式を見てわかるように

重炭酸は CO2存在下で緩衝能を示すことが出来ます。

重炭酸を使用した培地はCO2 の濃度

5 ~ 10 %に維持する必要があるため

通常の細胞培養ではCO2インキュベータが使用されています。

 

一方、HEPES緩衝液も培養に用いられることがあります。

 

HEPESはpH7.2 ~ 7.4の緩衝能に優れており、

 

CO2インキュベータの使用が出来ない場合や

 

よりpH変動を少なくしたい場合などに有効です。

 

(重炭酸系では細胞を観察するときなどインキュベータから

 

細胞を取り出すとpHの変動が大きくなってしまうため)

 

しかしながら、重炭酸バッファーに比べ高価であり、

 

高濃度になると細胞によっては毒性を示すこともあることから

 

先行する論文などで使用例があるか確認してから

使用するのがいいと思います。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

 先行論文の探し方が分からない><

そんなときは下の2つのガイドを参考にしてみてください!

すぐに使える!PubMed

  PubMedの基本的な使い方を紹介しています。

病院キャンパスで役立つデータベース・ツール

  医・歯・薬分野の方に役立つデータベースなどを紹介しています。

コラム

培地の色は赤色??

 

細胞培養に用いる培地の多くは赤色をしています。

培地にはフェノールレッドというpH指示薬が

入っていてその影響で培地に色がつきます。

細胞培養に適切とされる培地のpHは、

細胞の種類によっても変わりますが、

おおよそ7.2~7.4で、フェノールレッドでは

赤みががったオレンジ?くらいの色調です。

これが、アルカリ性に偏ると赤紫色

逆に酸性に偏ると黄色に変化します。

 

 

なぜ、フェノールレッドが含まれているのでしょうか?

フェノールレッドが含まれていると、

いちいちpHメーターを使用しなくても

おおよそのpHが分かります。

 

培地のpHの変化は色々な情報を与えてくれます。

例えば、インキュベータに入れている培地の色が

赤紫色(アルカリ性)

 ⇒CO2インキュベータの故障の可能性。

  十分なCO2がインキュベータ内に存在せず

  重炭酸による緩衝能が適切に働いていないかも??

黄色(酸性)

 ⇒細胞が育ちすぎている。

  細胞の代謝物がたまりすぎると、培地が酸性になります。

 ⇒コンタミを起こしている。

  カビなどのコンタミがおきると培地は酸性になります。

  コンタミが疑われる時はできるだけすばやく廃棄し、

  インキュベータや作業台などを消毒しましょう!!!