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折り紙の歴史と現在: よりみち:19世紀ドイツ

文化として、遊びとして、芸術として、科学として…さまざまな形で進化する折り紙の姿を見てみましょう。

なぜかドイツへ

[4-1] フレーベル

折り紙の歴史を追っているうちに、なぜかドイツへやってきました。

ここでは、19世紀ドイツの教育者フレーベルの活動を紹介します。彼と折り紙にどんな関係があるのでしょうか。

フレーベルとDas Falten

[4-2] 恩物の例

フレーベル(Friedrich Wilhelm August Fröbel, 1782-1852)は、19世紀ドイツの教育者です。当時の宗教・哲学思想に大きく影響を受けながら、独自の教育思想を構築しました。

特に幼児教育を重視し、1840年、自身が設立した幼児教育施設にKindergartenと名付けたことは有名です。これが、世界で初めての「幼稚園」になりました。

幼児教育では遊戯と作業を重視し、自身も様々な教育玩具を開発しました。これらの玩具は恩物(Gabe)と名付けられ、遊び方も具体的に示されました。恩物の中には、色を塗ったボールや、積み木など、今日でも知育玩具として使われるようなものが含まれています。

恩物を開発するなかで、Das Faltenという遊びも生まれました。
英語に訳すとThe Fold。名前の通り、紙を折って物を表現する遊びです。

[4-3] Das Faltenの例

上の画像は、Das Faltenの作品例を紹介したものです。
日本で育った人の中には、これを見て驚く人もいるかもしれません。
というのも、この中には、「伝承折り紙」として知られているのと同じモデルが入っているのです。
たとえば左の画像の作品10.は、現在「だましぶね・ほかけぶね」として知られています。
ほかにも右の画像の作品22.は「ぶた」として知られる作品です。

これらの作品が、19世紀後半、海を越えて日本にやってくるのです。
というわけで、次はふたたび、文明開化真っただ中の日本に戻りましょう。