スライドに図形や写真を含める際に、必要に応じて微調整を加えることができる。例えば、広範囲すぎる画像はズームやトリミングをすることができるし、図形は切り取りや結合といった方法で新しい図形を作り出すこともできる。ここで紹介するような便利な「ひと手間」を知っておくことで、スライドデザインの表現の幅が広がるのだ。どれも簡単にできるものばかりなので、悩む前にまず実践してみてほしい。
トリミング
PowerPoint上に画像を挿入したら、PowerPointウィンドウ上部にある「図の書式設定」というページから「トリミング」を選ぶことで任意の位置で画像を切り取ることができる。画像を囲む黒枠をドラッグし、切りたい位置までもっていき、スライドの別の位置をクリックするだけだ。
また、図形の形に合わせて切り取ることも可能だ。その場合、トリミングのオプションから、「図形に合わせてトリミング」を選択し、好きな図形を選べば良い。しかし、この場合画像の大きさに当てはまるように図形が引き伸ばされてしまう。図形の形を保ちたい場合は、トリミングオプションから、「縦横比」を1:1とすることで、画像を1:1の縦横比で指定してくれる。縦横比を合わせたあと、図形を指定すれば本来の図形の形が維持されてトリミングされる。
埋め込み
図形の設定を優先して画像を埋め込みたい場合は、図形の塗りつぶしから「図」を選び、画像ソースに挿入したい画像ファイルを指定することで任意の画像を図形に埋め込むことができる。
既存の図形に使いたい形がないけれども絵を描くのは苦手...という方は図形の結合と切り取りを駆使して新しい図形を生み出すことができる。これはアイデア次第で既存の図形から様々な図形を作り上げることができるため、時に重宝する。
PowerPointでは、複数の図形を選択すると「接合・型抜き/合成・切り出し・重なり抽出・単純型抜き」の5つの機能が使える。似ているようだが、切り取る選択範囲が違ったり、逆に一つに接合させたりと機能が違うので、それぞれを駆使することで図形の加工が容易になる。
文面だけではイメージがつかないと思うので、実際の例を画像に示した。
下絵となる写真やイラストがあれば、「曲線」を駆使してトレースした図形を作ることができる。
絵心要らずなので、慣れれば簡単だ。
しかし、漫画のキャラクターなど画像によってはシルエットでも著作権の対象になりうるため、トレースする対象には気をつけよう。
曲線で輪郭をなぞる(最初は大まかに輪郭をとらえ、線をつなげる)
*トレースしたい箇所の角度が変わるたびに一度クリックして曲線の方向を変えると綺麗になぞることができる。
なぞり終えると一つの図形として認識される
頂点の編集を選択し、必要に応じて頂点を追加しながら、点をドラッグして微調整
最後に、図を最前面に置き、線を背面に置いた状態で「重なり抽出」を行うことでトレースした部分が切り出される
この方法を使えば複雑な形でも素材にできるので知っておいて損はない。
*小技:「重なり抽出」はテキストボックスに使うこともできます。