Skip to Main Content

★手計算とRで学ぶ統計学: データ分析初歩の初歩

「なぜ統計学が必要か」という問いをひもとき,実践を通じて読者の方と統計学の心理的距離を縮めるガイドです。

統計学を学ぶ理由

そもそもなぜ統計学を学び,理解しなければならないのか,との疑問を持つ方も少なくないと思います。昨今はRやSPSSなどの統計解析専用のソフトウェアにデータを入力し,適切なコマンドを入力すればあっという間に検定統計量や\(p\)値が出力されます。そのため,数学的な背景についての理解が不十分でもデータ解析を行い,ある程度のクオリティ (少なくとも発表を聞いた教員・他の研究者から極端な批判を受けない程度には) で自らの研究について客観的にみた結果を数字として発表することができます。

この話を聞くと「そうだったらソフトの使い方だけ知っていればいいじゃないか。\(p < 0.05\) になったらオールオッケーなんでしょ?」と考える方もいるかもしれません。しかし,研究を進める上では「今自分がソフトウェア上で行っている検定手法はどのような計算が背後で行われているか」「ソフトを操作した結果表示された値は何を意味しているのか」を理解しておく必要があります。
統計学について知ることは,統計学をより客観的かつ簡潔にデータを説明するための手段数字に騙されないための手段として使いこなすために必要不可欠です。ここからは実例を交えて,統計学を理解することの重要性と統計学の基本的な用語について学んでいきましょう。