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★手計算とRで学ぶ統計学: おわりに

「なぜ統計学が必要か」という問いをひもとき,実践を通じて読者の方と統計学の心理的距離を縮めるガイドです。

おわりに

このガイドでは,データ分析の入口からそれぞれの検定手法の原理,そしてRでサンプルサイズ設計から検定を行う方法について紹介しました。
最後までこのガイドを読み切った方は,データ分析に対する認識が「データをブラックボックスに入れて,\(p < .05\) が出たら終わりの便利なブラックボックス」ではなく「ある程度メカニズムや数理的な背景を理解した上で上手に使う必要のあるツール」に変化していることと思います。

もちろん,このガイドを読めば統計学の理解は完璧!というわけではありません。
データや分野によってはこのガイドで紹介していない手法を使う必要があります。実際,一般化線形モデル (正規分布以外の分布を仮定するデータに対するモデリング) やベイズ統計学も筆者の専門分野である心理学では頻繁に使われています。その時にこのガイドが分析の概要を理解したうえでデータに立ち向かっていこうという動機になれば,これほど嬉しいことはありません。