以下にお手本論文を紹介します。ぜひDiscussionを読んでみてください。
その際に、Discussionのはじめに研究の結果や結論が述べられていること、各論から総論へと向かう流れ、に注目してください。
①
Joshua B. Black, Andrew F. Adler, Hong-Gang Wang, Anthony M. D’Ippolito, Hunter A. Hutchinson, Timothy E. Reddy, Geoffrey S. Pitt, Kam W. Leong, & Charles A. Gersbach
Targeted Epigenetic Remodeling of Endogenous Loci by CRISPR/Cas9-Based Transcriptional Activators Directly Converts Fibroblasts to Neuronal Cells
Cell Stem Cell. 2016; 19(3): 406-414. doi: 10.1016/j.stem.2016.07.001. PMCID: PMC5010447
【ちょっと解説】
この論文のDiscussionは、第一パラグラフを 『In this study, we demonstrate ~』 で始めて、結果や結論を述べています。
第二、第三パラグラフでは、結果の解釈に関してdiscussionをしています。
第四パラグラフでは、関連する他の論文も示しながら、いまだ未解明の問題点や今後の展望について述べています。一番最後の文は 『This may lead to ~』 といって、著者らの方法が有用であることを示唆しています。
②
Xing Guo, Xiaorong Wang, Zhiping Wang, Sourav Banerjee, Jing Yang, Lan Huang, & Jack E. Dixon
Site-specific proteasome phosphorylation controls cell proliferation and tumorigenesis
Nature Cell Biology. 2016; 18(2): 202-212. doi: 10.1038/ncb3289. PMCID: PMC4844191
【ちょっと解説】
この論文のDiscussionの第一パラグラフでは 『In this study we have demonstrated that ~』 『Our present work has provided a first glimpse at ~』 『It should be noted though that ~』 『We also argue that ~』 『Taken together, ~』 といった表現を使用し、結論や彼らの発見の新規性を述べています。
第二、第三パラグラフはキナーゼのリン酸化部位について述べています。第三パラグラフの最初の文は 『Here we have identified ~』 と完了形を使って結果を述べています。
第四パラグラフでは細胞機能の話、第五パラグラフでは癌の話と、話題を広げています。