生命科学系の英語論文は、以下のパートに分かれています。
Title
読者の興味を惹くため、著者はタイトルにこだわります。
Authors, Affiliations
著者と所属にも注目しましょう。「この人の論文よく読むなー」や、「ここの機関はこの研究分野が強いのかなー」など、気付くことがあります。
Abstract
著者が読者に最も伝えたい背景、問題点、研究結果、結論が述べられます。詳細は後述。
Introduction
その研究分野の背景、先行研究の紹介、問題点がより詳細に述べられます。詳細は後述。
Materials & Methods
具体的な実験方法、例えば実験の一つ一つのステップを把握したいときや、使用したキットはどこの会社の何という製品を使用したのか、などを知りたい場合に読みます。普段は読まないことが多いと思います。
Results
生命科学系の多くの英語論文では、Resultsの各パラグラフ内でも背景、研究目的と方法、結果、結論が述べられ、IntroductionやMaterials&Methodsを読まずとも、おおよその内容が理解できるようになっています。詳細は後述。
Discussion
Introductionで提示した問題点に答え、先行研究と比較したり、今後の展望が述べられたりします。詳細は後述。
References
引用した参考文献のリスト。本文を読んでいて、気になる論文があったら読んでみましょう。
ここで意識して欲しいことは、各パートの話のつながりをイメージすることです(図1)。
Introductionでは、教科書に載っているような、一般的で幅の広い話(総論)から始まり、徐々に自分の興味のある内容(各論)へと話の幅を狭めていきます。
そしてMaterials & Methodsで実際に行った実験を、Resultsで実験の結果を述べます。
DiscussionはIntroductionと逆で、幅の狭い話題(各論)から、徐々に話の内容を広げて一般的な話(総論)へと持っていきます。
このような論文の記述展開のことは、IMRAD(Introduction, Materials & Methods, Results and Discussion の略)と呼ばれます(googleで「IMRAD」と検索すると、論文の書き方をメインに英語論文の構成についてのページが多くヒットします。興味のある方はぜひ見てください。)。