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★やさしい日本語でやさしくなりたい!: やさしい日本語とは?

「外国の人に話しかける=英語」と思っていませんか?ちょっとした工夫で日本語でも外国の方とコミュニケーションをとれる…そんな素敵な「やさしい日本語」について紹介していきます。

やさしい日本語の定義~話し言葉編~

早速、「やさしい日本語」の定義について紹介していきたいと思います。まずは話し言葉で「やさしい日本語」を使うときに意識するといいことを5つまとめています。とはいえ、「やさしい日本語」にはほかの言語のような明確な文法があるわけではないので、ここでは静岡県庁「 やさしい日本語の手引き(令和5 年4月改訂版)」とこのガイドの中で紹介している文献を参考にしてまとめています。

 

1. 伝えたいことは一文につきひとつ

長文で話すと、どこが要点かわかりにくいので一文を短くすることを意識します。ただし、短くすればよいというわけではないので、一文に入れる情報はひとつにすることを意識するとちょうどよい長さの文章になると思います。

例)図書館の利用にはこの利用申請書の記入後、1週間後に利用者票を受け取りに来館してください。

→図書館に入るために、これを書いてください。1週間後に利用者票を渡します。またここに来てください。

 

2. 難しい表現は言い換える

目安としては小学校低学年の子がわかるくらいの言葉に変換してみると伝わりやすいそうです。

例)ご芳名→名前、定休日→休みの日

 

3. カタカナ語(外来語)は極力使わない

少し意外に感じるかもしれませんが、カナカナで表されている言葉はできるだけ使わないようにします。これは、「テイクアウト」など日本人が普通に使っているものの中に和製英語が隠れているからです(「テイクアウト」は、海外ではtake awayやto goなどの方がよく使われるようです)。ただし、バスやラジオなどカタカナ語以外での表現が難しいものはそのまま使用しても構いません。

 

4. オノマトペは使わない

オノマトペ(擬音語・擬態語)は日本固有の表現です。外国の方はイメージがつかないものが多いそうです。「~のようです (feel like) 」で言い換えることも有効です。

例)シクシク痛みますか?ズキズキですか?→弱い痛みですか?強い痛みですか?

 

5. 敬語は最小限に

日常的に日本語が話せる外国人でも、尊敬語・謙譲語・丁寧語を使いこなすことは難しいそうです。敬語が複数入っている文章はそれだけで複雑になってしまうので、最低限にしましょう。

例)明日ご自宅に伺ってもよろしいでしょうか。→明日あなたの家に行ってもいいですか。

やさしい日本語の定義~書き言葉編~

次は「書き言葉」でやさしい日本語を使うときのポイントです。基本的には「話し言葉」と同じですが、「話す・聞く」よりも「読む」方が苦手意識のある外国人が多いので、より丁寧な配慮が重要です。

1. 分かち書きをする

文章を意味のまとまりごとに分けて書くことを「分かち書き」と言います。文節ごとに分けると読みやすい文になります。

例)水曜日は図書館が休みの日です。→水曜日は 図書館が 休みの日です。

 

2. 漢字には読み仮名(ルビ)をふる

平成13年に文化庁が全国の日本語教室に通う600名に行った調査では、「ひらがなが読める」と答えたのは84.3%、「カタカナが読める」と答えたのは75.2%なのに対し、「漢字が少し読める」と答えたのは全体の48.5%で半分に満たないことがわかりました。そのため、漢字を使うときは、上に読み仮名をひらがなやカタカナで書くことが大切です。

ただし、読み仮名を振るという文化はなかなか特殊であるため逆に読みづらくなるという意見もあり、賛否が分かれるところでもあります。そのため、可能であれば読み手が読み仮名の有り無しを選択できるような仕組みを用意することも解決策の一つです。

 

3. ローマ字は地名や駅名などのみに使う

ローマ字は英語圏の読みに日本語を対応させたものなので、非英語圏の外国人には正しい読み方ができない場合があります。ローマ字は、地名や駅名などに限定して使いましょう。

 

4. 読めそうな分量かチェックする

外国人にとっては、やさしく書いたとしても日本語は外国語です。私たちが英語の文章を読むときと同じモチベーションと考えたときに、読もうと思える分量か、大切な情報はどれかわかる書き方なのかを意識するとよいようです。