最後にいつでもどこでもできる外国人対応で使えるポイントを紹介したいと思います。
1. アイコンタクトやジェスチャーを心掛ける
アイコンタクトやジェスチャーを使うと、言葉だけで伝えきれなかった部分が伝わるだけでなく、「あなたとコミュニケーションをとりたい」という意思表示にもなります。(ただし、ジェスチャーは国によって意味が異なるものも多いので使うときは少し注意してください。)
また、やさしい日本語を使って会話をすると短い言葉で言い切り口調になってしまうこともあります(やさしい日本語では「~と思います」「~ではないでしょうか」などのあいまいで複雑な表現は避けるべきとの意見もあります)。そのため、ついついそっけない印象になってしまいがちなので、非言語的コミュニケーションを意識することがおすすめです。
2. 写真やイラスト、メモを活用する
可視化して伝えるということも重要です。メモに書く言葉は「やさしい日本語」ばかり使わなくても構いません。少し難しい言葉や専門用語でもメモをもとに後からインターネットなどで調べることができるからです。
3. 最後に「質問はありますか」と聞く
わかりやすく伝えられたと思ったときほど、伝える側は相手に伝わっていると思い込みますし、相手はなんとなくわかった気になって受け身になってしまいます。「あなたも主体的に関わってくださいね」という思いを伝える上でも最後に質問を聞く時間を作ることが大切です。
4. 外国人コミュニティにおけるキーパーソンにお願いする
在留外国人が多い地域では、在留外国人同士がコミュニティを形成して生活していることがあります。その地域の在留外国人に対して広く情報を伝えたい場合は、そのコミュニティのリーダー的存在の方(何十年も日本に住んでいる方の場合が多いそうです)をキーパーソンとして相談や情報発信をすると齟齬や誤解から生じる思いがけないトラブルを防ぐことにもつながります。文化や生活の違いからなかなか理解しあえないことでも、日本の生活に慣れた外国人の方に仲介してもらうことでよりスムーズに受け入れてもらえやすくなるそうです。
5. 第三者返答をしない
これは3.と同様に会話やコミュニケーションに主体的に関わってもらうためのポイントです。第三者返答とは、自分(日本人)と留学生、留学生の友人(日本人)というような3人以上で会話をする際に、留学生が自分に日本語で話しかけてきているのに留学生の友人(日本人)に視線を合わせて返答してしまうことです。自分としては留学生の友人に話した方がよりスムーズに話が進むという配慮かもしれないですが、留学生からしたら無視されているようで不快に感じます。「あなたと話したい」という気持ちを伝えるためには第三者返答は良かれと思っても避けるべきです。
最後に「第三者返答」について言及しましたが、これは外国人対応に限らず日常生活の中で無意識にやってしまっている人が多いと思います。
これらは決して悪気があるわけではなく、話をスムーズに進めるためにしていると考えられます。
コミュニケーションをスムーズに素早くやりたいと思うことは間違いではありませんが、余裕やゆとりをもって接することを心掛けていかないといけないなと痛感します。