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★世界に飛び出せ!大学院生のための国際交流ガイド: 研究留学

大学院での国際交流に興味はあるけど、不安で一歩踏み出せない… そんなあなたへ、Cuterの体験談をお届けします!

このページの作成者

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林 萌英
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本ガイドは図書館学習サポーター/図書館TA(Cuter)として勤務した際に作成したものです。

勤務期間 :2020年4月~
当時の身分:大学院生(博士課程)
当時の所属:九州⼤学理学府地球惑星科学専攻宇宙地球電磁気学分野

困ったことがあれば気軽に声をかけてください!
分野: A06_理学府

研究留学の概要

こんにちは、理系Cuterの林です。

ここでは、私が 2023年11月〜2024年1月の3ヶ月間、アメリカのボストンで行った 研究留学 について紹介します。

ボストンの街並み
ボストンの街並み

🛰️ 自己紹介と研究の話

私は、理学府の地球惑星科学科に所属する博士3年生です。宇宙地球電磁気学研究室に所属し、「オーロラ」の研究を行なっています。

オーロラの研究といっても、皆さんが想像するようなオーロラの光を研究している訳ではありません。実は、極域でオーロラが発生した時、その影響は私たちが住む日本を超えて、赤道まで到達しています。ただし、オーロラの光が到達するわけではなく、地磁気(地球が持つ磁場)の変動として届きます。この地磁気の変化が赤道まで届くことはわかっているのですが、どのような経路で、どのようなメカニズムで到達するのか、はわかっていません。それを解明するため、世界各地に地磁気観測器を設置して、日々研究を行なっています。

このガイドでは研究の詳しい話はしませんが、オーロラや私の研究に少しでも興味がある方は、以下のガイドをご覧ください。

  • オーロラの不思議ガイド:オーロラの原理や、オーロラが私たちの生活に与える影響、オーロラの最新研究などを紹介
  • 卒論ができるまでガイド:私が学部4年生の時に行なった卒業研究と、卒論にどのように取り組んだかを紹介

📍 研究先

Boston University Center for Space Physics

ボストン大学のキャンパス風景
ボストン大学のキャンパス風景

私が留学した Boston University Center for Space Physics は、その名の通り宇宙物理を専門とする研究室です。私がお世話になった先生は、地球で発生するオーロラを専門としていましたが、その他にも他の惑星のオーロラや木星の磁気圏など、幅広い研究が行われています。

興味がある方は:研究室のホームページをご覧ください


研究留学を決めた理由

① より幅広いデータ解析の力を身につけるため

九州大学で私が所属する研究室では、地球の大気圏・電離圏・磁気圏の研究 を行っており、研究手法も 理論・シミュレーション・データ解析 など多岐にわたります。この幅広い研究の中から学生が主体的に研究テーマを決めるため、各学生の研究内容は様々です。自由度が高くて良いのですが、近い研究をしている人が少ない分、行き詰まった時に自力で解決しなければならない時があります。

私はデータ解析を中心に研究を行っていたのですが、いくつかの壁にぶつかり、なかなか答えが出ませんでした。

  • 使用できるデータの制限: 研究室が持つデータや先行研究のデータだけでは、現象の物理過程を解明するのが難しかった。
  • 解析の発展の難しさ: どのデータをどのように組み合わせるとより有効か、明確な指針が得られず手詰まりを感じていた。

そこで、オーロラのデータ解析に優れた研究者の意見を直接聞く ため、研究留学を決意しました。

 

② 日本とアメリカの研究環境の違いを体験するため

研究テーマの決め方や研究の進め方は、国や所属、指導教員によって大きく異なります

  • 先生の研究から派生するテーマを学生が担当する場合もあれば、学生が自分のテーマを決める場合もある。
  • 研究成果を大きな一つの論文にまとめるスタイルもあれば、小さな成果ごとに論文を書き、論文の数を積むスタイルもある。

どの方法が正解というわけではありませんが、自分に合った研究スタイルを知る ことは、今後の研究活動において重要だと考えました。

そのため、今の研究室だけでなく、異なる環境を経験する ために、研究留学を決めました。