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★三大栄養素の一つ!脂質について知って欲しいこと: 単純脂質

私が毎日体に取り入れなければならない三大栄養素「脂質・糖質・タンパク質」。今回はその内ダイエッターが避けがちな脂質の重要性について見ていきましょう!

目次

単純脂質の種類

「単純脂質」と言うと単純な構造をしていて種類も少ない脂質なのかな?と思う人もいるかもしれませんが、どちらかと言うと性質が単純という捉え方が近いと思います。今回は単純脂質として中性脂質・セラミド・ステロールエステルをご紹介します。

中性脂質はその名の通り、酸性でもアルカリ性でもない中性の脂質で、グリセロール骨格に脂肪酸がエステル結合した構造を取っています。疎水性が高く、水とはきれいに分離します。その中でも代表的なものがグリセロール骨格に3つの脂肪酸が結合したトリアシルグリセロール(TG)です。

(トリアシルグリセロール;グリセロール骨格[赤色]と脂肪酸[黒色])

グリセロール骨格に結合する脂肪酸が3本ならトリアシルグリセロール、2本ならジアシルグリセロール、1本ならモノアシルグリセロールとなります。これらの単純物質は合成と分解の過程で移り変わりますが、中性脂肪として貯蔵されるのはトリアシルグリセロールです。脂肪酸は動物の重要なエネルギー源の一つであり、脂肪酸3分子が1分子に含まれているトリアシルグリセロールはエネルギー貯蔵庫と言えます。

動物はエネルギー源として体内の糖分が足りなくなった時に脂肪酸から新しくエネルギーを取り出します(タンパク質からエネルギーを取り出す経路もあります)。飢餓を乗り越えるためには重要な脂肪ですが、過剰な蓄積は身体の異常を招きます。特に飽和脂肪酸が豊富な豚肉や牛肉の脂身はできるだけ取り除くことが望ましいです。

ステロールエステルはステロール類(動物であればコレステロール)と脂肪酸が結合してできた疎水性の脂質です。

(コレステロールエステルの構造;R部位に脂肪酸が結合する)

ヒトの血中にはコレステロールエステルとエステル化されていない遊離型のコレステロールが共在しており、コレステロールエステルが70~80%を占めます。健康診断で見ることができる総コレステロール量はこの2種類のコレステロールを足し合わせたものになります。

通常は体内での合成、腸からの摂取、そして排出により体内のコレステロール量はバランス良く保たれていますが、過剰摂取や排出機能が低下することでこのバランスが揺らいでしまうことがあります。そのため総コレステロール量が高い値を示している場合、動脈硬化や脂質異常症、糖尿病、甲状腺機能低下といった疾患を疑うことになります。

もう一つ、健康診断で基準となっているのがHDLコレステロールとLDLコレステロールです。HDLコレステロールは「善玉コレステロール 」、LDLコレステロール は「悪玉コレステロール 」と呼ばれていますが、これの正体は脂質とタンパク質の複合体であるリポタンパク質です。LDLの方がコレステロールエステルや中性脂質を多く含み、「軽い」リポタンパク質となります。そのためHDLコレステロールに対するLDLコレステロールの比が高くなると、総コレステロール量が正常な範囲でも注意しなければなりません。

参考資料

全国健康保険協会:【脂質異常症】 コレステロールと中性脂肪がたまると... https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g4/cat450/sb4502/p016/  (2021年5月17日確認)

セラミドは「セラミドケア」という言葉が出てきたように、化粧品に配合する成分として近年注目を集めています。その正体はスフィンゴ脂質の一種であり、重要な細胞膜構成成分および細胞シグナル伝達物質として注目されています。スフィンゴ脂質はスフィンゴイド塩基(下図参照)を構成要素として持つ物質の総称です。スフィンゴ脂質の興味深いところはそのネーミングです。スフィンゴ脂質が発見された当初、その生理機能は謎に包まれていました。そこで発見者はエジブトの謎かけ怪獣スフィンクスにちなんでこの物質をスフィンゴ脂質と命名しました(と言われています)。

(セラミドの構造;R1部位は脂肪酸を表している)

さて、セラミドがスキンケア関連製品に含まれているのは、セラミドが皮膚外層でバリア脂質として働くためです。また、細胞シグナル伝達物質(脂質メディエータ)としても働き、皮膚から侵入しようとする細菌に対する免疫反応も担っています。そのため化粧品により皮膚に直接浸透させることが有効とされています。

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脂質よもやま話④

 その油の正体は何!?〜アブラボウズとバラムツ〜 

皆さんはこれらの魚種を耳にしたことがあるでしょうか?

アブラボウズ(脂坊主)はカサゴ目の中で最大クラスに成長する魚種で、深海400m付近に生息しています。アブラボウズは白身魚にもかかわらず、その身の半分は脂(中性脂質、特にトリアシルグリセロール)からできており、これは大トロに匹敵します。毒ではないのですが、食べすぎるとお腹を壊してしまいます。市場で見かけても一匹丸ごと買わないでくださいね!

バラムツはスズキ目の深海魚で、こちらも脂たっぷりです。ただバラムツの厄介なところはその脂がワックスエステルからできていると言うところです。ワックスエステルは人体で消化されません。大量に摂取するとお尻から脂が垂れ流しになるため、オムツが手放せなくなります。さらにひどい場合は、皮膚から油が漏れ出るリスクがあります。こちらは食べることをオススメできません。でも非常に美味しいらしいです(食うなよ!絶対に食うなよ!)。