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★三大栄養素の一つ!脂質について知って欲しいこと: 誘導脂質

私が毎日体に取り入れなければならない三大栄養素「脂質・糖質・タンパク質」。今回はその内ダイエッターが避けがちな脂質の重要性について見ていきましょう!

目次

誘導脂質の種類

みなさんの耳に馴染みが深いホルモンといえば、男性ホルモンや女性ホルモン、成長ホルモン、この辺りでしょうか。実はこういったホルモンの中には脂肪酸やステロイドを材料として酵素反応によって変換された産物があります。

男性ホルモンの代表格はテストステロンでしょう。筋力トレーニングをしている人には馴染み深いと思います。このテストステロンをいかに分泌させるかで筋肉のつきやすさが変わってきます。外部から接種されることもあり、良い面では性転換の治療に使われていますが、一方でその効果のためにスポーツ選手がドーピングに使うのもテストステロンです。

(テストステロン)

構造を見てもらうとなんとなく気付くと思います。テストステロンはコレステロールが原料になっています。これは女性ホルモンも同様ですので、コレステロールを過度に避けるということはホルモンバランスの乱れにも繋がります。気をつけましょう。

では脂肪酸から作られるホルモンは何でしょうか。これも種類は多岐に渡るのですが、アラキドン酸やEPA、DHAから作られるプロスタグランジンやロイコトリエンといった物質のグループ(エイコサノイド・ドコサノイド)は聞いたことがある人もいるかと思います。興味深いことに、アラキドン酸から作られたホルモンは炎症を引き起こすためのシグナルになっていますが、EPAやDHAから作られたホルモンはその炎症に拮抗する弱い炎症を引き起こすことが知られています。結果としてはEPAやDHA由来のホルモンが炎症を弱めることになります。これもEPAやDHAを積極的に摂取することが推奨されている理由の一つです。

(アラキドン酸は様々なホルモンに変換される。ニュートリー株式会社 https://www.nutri.co.jp/nutrition/keywords/ch2-4/keyword3/

ビタミン(Vitamine)はその名の通り必須栄養素です。そのため人間が自ら合成することはできず、食事から摂取する必要があります。ただ、その中でビタミンDは体内で作ることができます。これはどういうことかというと、ビタミンDが日光浴により合成されることにあります。

(ビタミンD3)

コレステロールが酵素反応と紫外線を受けることにより、ビタミンDが合成されます。十分量のビタミンDを体内で合成するには、どのくらいの紫外線を浴びるかが重要で、夏場では10分程度の日光浴でOKです。もちろん日焼け止めクリームはナシですよ。インドア派の方は食事やサプリメントで補いましょう。

 

もう一つ、食事以外からの摂取が有効とされているビタミンがビタミンA(レチノール)です。皮膚や粘膜の健康を保つビタミンAは植物の中でβカロテンを原料として作られます。厚生労働省がシワ改善の効能を承認していることもあり、ビタミンA配合クリームは高級化粧品として各社から販売されています。

(ビタミンA)

脂質よもやま話⑥

 流行りのケトジェニックダイエット 

糖質制限ダイエット、やっている人もいるのではないでしょうか。究極の糖質制限ダイエットとも言えるのが「ケトジェニックダイエット」です。これは「脂質のみをエネルギー源とするダイエット」になります。仕組みを簡単に説明しましょう。

私たちの主なエネルギー源は糖質(ブドウ糖)であることはご存知ですね?ブドウ糖が血中から枯渇していくと、身体はそれまで肝臓や筋肉に貯めておいたグリコーゲン(貯蔵された糖質)を消費し始めます。しかしやがてこのグリコーゲンも枯渇します。肝臓からグリコーゲンが枯渇すると、今度は脂質からケトン体と呼ばれる物質を作り出し、これをブドウ糖の代わりとして消費し始めます。糖質をほぼカットしてケトン体を主なエネルギー源として過ごすこの食事法がケトジェニックダイエットです。これは糖尿病や癌患者の食事療法として取り入れられるもので、健康な人は筋肉の分解も進む恐れがあり、また中途半端に糖質を摂取することができない為、長期間継続することは推奨されません。