ここでは、「赤血球増加症(多血症)」についてまとめていきます!
【赤血球増加症の定義】
貧血とは逆に
赤血球、Hb、またはHtが基準値以上に増加した状態を、赤血球増加症(多血症)といいます。
・男性…赤血球:600万/μL以上、 Hb:18 g/dL以上、 Ht:55%以上
・女性…赤血球:550万/μL以上、 Hb:16 g/dL以上、 Ht:50%以上
【原因・分類】
●相対的赤血球増加症
循環している赤血球の量は増えていないけれど、循環する血漿が減少してしまうことで、赤血球が増えたように見えるもの。
・火傷や下痢などによって脱水状態になったとき。
・ストレスによるもの。中年男性に多い。(詳細な原因は不明) …など
●絶対的赤血球増加症
循環している赤血球自体が増加しているもの。
・二次性の赤血球増加症
赤血球を刺激する造血因子であるエリスロポエチン(EPO)の増加によるとき。
EPO増加の原因として、
酸素欠乏状態のときにEPO産生が増加する場合(高地居住、慢性肺疾患、過度肥満など)
酸素欠乏状態ではないのに異常にEPO産生増加(エリスロポエチン産生腫瘍、腎疾患など) の場合があります。
・真性赤血球増加症
EPOとは関係なく、腫瘍細胞のように赤血球が増加してしまいます。原因不明で、赤血球だけでなく、顆粒球、血小板も同時に増加します。
赤血球増加のための、赤ら顔、のぼせ感、頭痛など、
血液粘稠度増加のための、血栓症、出血症状など が主な症状です。