ペースメーカを植込んだあと、
それで治療終了!というわけには行かず、
定期的な患者へのフォローが必要となります。
だいたい6ヶ月前後に1回
・自覚症状の有無
・ペースメーカ適応の理由となった
疾患が改善しているか
・適切な刺激条件が設定されているか
・植込み部位に炎症・感染が起こっていないか
・心電図や胸部X線(レントゲン)により、
適切な刺激が加わっているか、刺激リードの移動がないか
などを外来で検査する必要があります。
ペースメーカは電池で駆動しているため、
半永久的に使用できるわけではありません。
植込型のペースメーカのリチウム電池の寿命は
約5~10年であるといわれています。
もちろん、電池がある日突然なくなるわけではありませんが、
定期的に電池の残量を調べておき
必要に応じて、再手術をおこないます。
また、植込んでいるリード線が切れかかっていないかや、
ペーシング閾値*・センシング閾値**などの
ペースメーカの作動状況を定期点検で確認します。
*ペーシング閾値
・・・筋を興奮させるのに必要な
最小の刺激の強さ
ペーシング閾値が低い場所にリードを
留置することで、ペースメーカ本体の
バッテリー寿命が長持ちさせれるるため、
ペーシング閾値は低ければ低いほど良い
とされています。
(1V以下が望ましい)
**センシング閾値
・・・ペースメーカが自己の心拍を認識するうえで
必要とされる最低の電位の高さ
(心房で、1mV以上、心室で10mV以上)
設定が高すぎると、
自己心拍を認識できない
(アンダーセンシング)危険があり、低すぎると
筋電位や雑音を自己心拍と誤認識する
(オーバーセンシング)危険があります。
特に、センシング閾値が低すぎて雑音を
自己心拍と認識することは問題で、
自己心拍があるとペースメーカが判断
したときは刺激が心臓に送られない
設定になっているものが多く、
十分な刺激が得られないことがあります。
まれに、センシング不全電極の移動やリードの
損傷本体との接続不良によりセンシングとなる
場合があります。