AEDは電気刺激を体に加えて心臓の動きを正常に戻すものであるため、
時には感電や火傷といったトラブルをおこすこともあります。
基本的にはいちはやくAEDを使用することが命を救うことにつながりますが、以下の項目については
可能であれば対策してからAEDを使用することが望ましいでしょう。
①体が濡れた傷病者
溺れるなどして傷病者が水の中にいる場合には、地上に引き上げてからAEDを使用するようにします。
体が濡れていると電気ショックを加えたとき、電気の一部が表面の水を通ってしまうため、電気ショックの効果が弱まってしまいます。
手持ちのタオルもしくは多くの場合AEDとセットになっているレスキューセットに入っている布で
水をふき取ってから電気パッドを貼りましょう。
②貼り薬をしている傷病者
貼り薬の上からAEDのパッドを貼ってしまうと、電気刺激の効果が弱まったり火傷を起こしたりすることがあります。
貼り薬は剥がして、タオルなどで残りの薬剤をふき取ってからパッドを貼りましょう。
③ペースメーカなど医療機器が埋め込まれている傷病者
胸のところに硬い5 cm程度のものが埋まっていてこぶのようになっている場合は、そこを避けてパッドを貼るようにします。
AEDの電気刺激でペースメーカなどがこわれるのでは無いかと心配になるかとは思いますが、傷病者が倒れている状態では、
これらの機器がうまく動作していないか、これらの機器で十分な傷病者のサポートができなかった可能性が高いため、
人命を優先し、AEDの使用を行なうべきです。
④ネックレスなど金属類を身につけている傷病者
ネックレスなど金属があると電気刺激が不十分となってしまったり、
火傷の危険もあるため刺激部分の近くの金属類は外すようにします。
外れにくい場合はレスキューセットのはさみできるなどしてはずしてもいいです。
⑤酸素ボンベを携帯している傷病者
電気ショックを加える前に酸素ボンベや供給装置を患者から遠 ざけて置かないと、
万が一ボンベが転倒してガスが漏れきたところに引火する可能性があるからです。
⑥傷病者が小児であるとき
AEDには小児用のパッドが一緒に収納されていて、それを使用すれば8歳未満の小児にもAEDが使用可能となります。
ただ、小児用のパッドがない場合は成人用のパッドを使用して電気刺激を行なってもよいとされています。
年齢が分からない場合は成人用のパッドを使用して電気刺激を行なうようにします。
などなど注意点はたくさんあるのですが、対策に時間がかかる場合(ネックレスが外れないなど)は
気にせずAEDを使用することが大切です。
火傷の対策をすることよりも
1秒でも早く心臓が正常な動きを取り戻すことのほうが目の前の人の命を救うためには必要です!!!