診断が終わり 「証」 が決まると、治療のために服用する 漢方薬 も決まってきます。
僕たちが日ごろからなじみがある西洋医学の薬は、化学合成でつくられているのがほとんどですが
一方の漢方薬は、生薬 と呼ばれる植物由来の材料を、様々な割合で配合してつくられます。
そんな漢方薬・生薬と何ぞや。
見てみましょう。
生薬 とは
自然に存在する植物・動物などの中から 長――――い年月をかけて経験上薬効が確認されたモノのことです。
保存のために乾燥させたり、有害な部分を除くことはありますが、基本的に本来の性質を変えるような加工はしません。
そのほとんどは 植物の葉・茎・花・種 などですが
動物の皮や骨 も少し加工して用いられたり、挙句の果てには セミの抜け殻 や 鉱物 も生薬になります。
それらを(多くは)乾燥させ、砕いたり挽いたりすることで粉状にし、配合に使います。
漢方薬が、生薬単体で用いられたり2種類の配合で構成されたりすることはごくまれで
通常は、複数の種類の生薬を配合 してつくられます。
例えば、ポッコリお腹やお腹周りの脂肪が気になる方向けに、ロート製薬などから広く販売されている
防風通聖散(ボウフウツウショウサン) は、18種類の生薬が配合されています。
似た薬効の生薬を複数使うことで、より強力な作用が現れることがあります。
異なる薬効の生薬を複数使うと、多数の症状をカバーでき、また個々の生薬が持つ副作用を抑えあうこともできます。
このように、生薬をうまく組み合わせることで、より上質な漢方薬が期待できます。